2015年12月29日火曜日

台北に三ヶ月住んで中国語を学んだが、台北生活も台湾料理も合わなかった話

もう1年前の話なのですが、去年の冬、台北に三ヶ月住んで現地の学校で中国語を学びました。しかし、はっきりいってその選択肢は大失敗だったなー、と痛恨しています。

ネガティブな話を書いても読む方は不愉快になるだろうと思って、一年ほど書かないでいたのですが、同じような体験をした人にとっては読んだらちょっと気休めになるかと思って書いてみることにしました。台湾嫌いとか台北嫌いとか台湾料理が薄味すぎるよねと言う人はあまり見ないので。

ちなみに最初に注意点なのですが、僕は、寒い冬になると気分が低調になるので、そのせいで実際よりも台北が悪く見えているところはあるかと思います。冬の台北は南国なのにかなり天気悪いし寒いです・・・。持病が悪化して、だいぶ体調も悪い日々が続いていました。


一応クラフトビア屋や台湾クラフトビアはある
まず台北で最も嫌だったのは、街に飲み屋などがほとんどなく、飲食店でもビールすら置いてない店がほとんどで、お酒を飲む文化がないということ。僕は基本的にお酒を飲んで他人と仲良くなる人間なので、お酒を飲まないという時点で、かなり凹んでしまいました。

もともと中国の文化には居酒屋やバーみたいな概念はあまりないのかもしれませんが、仮に文化的にローカル飲み屋がないとしても、お洒落なバーくらい普通の国にはもっとあるもんです。台北で飲み屋街といえば、日本人街の林森北路くらいのものです。

そして現在の台北の街の人々はすごくせかせかしていて、まったくフレンドリーではありません。飲み屋もなく、あるのは軽食店ばかりなので、友達を作るのはかなり難しいです。料理の注文すら注文用紙に書くので、注文ですら言葉の練習になりません。語学学習のために行ったのに、なかなか話す機会がなかったのは痛恨でした。


あと台湾料理も全く口に合いませんでした。僕は、タイ料理や韓国料理や四川料理のようにスパイシーで味付けの濃厚な料理が好きなので、台湾料理のように極めて薄味で塩の薄い料理を毎日食べていると気が狂いそうになります。政府の減塩運動が成功したため、塩分がとても薄くなったんだそうです。

私も台湾の料理の一品一品では好きな料理はいろいろあります。臭豆腐もいいし、蛋餅もいい、葱油餅もいい、どれも単品としては美味いです。しかし問題はどれも超薄味で極めてシンプルな味付けなこと。だから2~3日の台湾旅行なら、誰でも美味しく楽しめるでしょうが、3ヶ月続くと人によってはかなり厳しいでしょう。

あと、こちらの「運び屋」さんのブログにも書いてありますが、台北の飲食店は、美味しくしようとする努力が全く感じられない店が多いのですよ。食べると「あちゃー」となるマズい食い物が多数あります。

涼麺。マズいがハマる。
この涼麺という料理は、本当に信じられないくらい不味い店が多いので逆に面白いです。でもマズいのになぜか食べたくなる中毒性のある料理なんです。僕は好きですね。涼麺。死ぬほどマズいけど。

というか、全般的に台北の食い物好きなんですよね。もし食べるのが一日だけでいいのなら。毎日食べてると、その薄味さだけじゃなく、サービスが皆無な点や、店がとても汚かったり殺風景な点などに、どんどん心がやられてきます。

いくら安食堂だって、毎日通ってるんだから、「こんにちは」とか「元気?」くらい言ってくれたっていいじゃありませんか。それが、紙に注文を書いて渡して、どんっと料理を置かれるだけ。それじゃあねえ。

その点、近所で深夜営業をしていた涼麺屋は、ほんっとーにマズいのですが、おばちゃんがなんだかんだ話しかけてくれたりして、常連扱いしてくれたこともあるし、マズい涼麺にすっかりハマって毎日食べてしまいました。


台北で一番よく食べたのはバインミー
他にも色々と気に入らない点は多々ありましたが、まあ、細々と愚痴を書いてもつまらないだろうからやめておきます。

折角の海外生活があまり楽しめないし、中国語も十分に実践出来なかったのは、とても残念な話でした。台北は先進国の大都市なので、みなドライですし、そこに溶け込むためには、かなり努力してあちこち動き回らねばならなかったのでしょうが、体調が悪くて、とてもそれどころではありませんでした。

結局のところ、最後の頃には林森北路の居酒屋で飯を食ったあとに日本人がやっているワインバーに行って、日本人とばかり話をするような生活になってしまい、ほんっとーに何をやってるんだ、という感じです。

昔、2004年にソウルで三ヶ月韓国語を学んだときはどこでも大歓迎されてとても楽しかったのですが、最近はソウルに行くと、とても人が冷たくなった、情がなくなったと感じます。やはりどこの都市も大きく発展してしまうと、そのようにドライになるのかもしれませんね。台北ではなくて、台南のような地方都市に滞在すれば、また違ったかもしれませんね。

あと、たぶん私が贅沢になり臆病になっているのも原因なんでしょうね。2004年の僕は、誰でも外国人と話せれば、それだけで楽しいと思っていました。もっと若くてオープンだったと思います。店に行って、常連扱いされないなど当たり前のことだと思ってました。

今の僕は、日本でもタイでもどこでも常連扱いされるのになれきっています。どこにいってもお店の人と一言二言話して、二回目に来ればもう常連として扱ってくれますからね。若くてコミュ障だった自分とは大違いです。それが台北では通用しなかったのでショックなんでしょうね。


今年はいつも通り、南国のバンコクに滞在しています。やはり乾期のバンコクは天気が良くて暖かくて人々も穏やかで最高です:) やっぱりバンコクサイコーです。

韓国とタイの空港鉄道が全く同じ大失敗。どこの国も政府はアホだ。

本ブログはなるべく良質の記事だけをお届けしようとした結果、あまりに記事が減りすぎてしまったので、ちょっと気軽に書ける雑な記事を増やしていこうかと思います。

さてソウルの仁川国際空港と、バンコクのスワンナプーム国際空港は、どちらも古くなった旧空港から新しい場所に移転した空港です。いわば成田空港のようなものでしょうか。仁川空港は成田空港と同じく、かなり離れた場所にあります。

仁川国際空港にもスワンナプーム国際空港にも、わりと最近になって待望の空港連絡鉄道が完成して運用されています。どちらもタクシーやバスに頼らないで済むので、旅行者にとっては安心して利用出来る乗り物です。

しかしどちらも致命的な運用上の欠点のせいで、空港への到達時間を短縮することには完全に失敗しています。それどころか仁川空港への空港鉄道は深刻な経営危機に見舞われています。


この二つの空港鉄道には、どちらも急行と鈍行があり、鈍行は頻繁だけど、かなりゆっくり走ります。急行はたまにしか来ないけど、わりと高速に走ります。

困った問題は、鈍行と急行で料金が違い、さらに改札口やプラットホームまで違っているため、ホームにいって急行が来たらそれに乗るということができないのです。そのせいで、たまにしか来ない急行を当てにして急行ホームに行く人は誰もおらず、急行はガラガラどころか乗客がほぼゼロの状態です。

ついにはバンコクのエアポートレールリンクでは急行の運行を取りやめてしまいました。

どちらも京成スカイライナーなみの160km/hの設計速度を持っており、本来は空港への到達時間を大幅に短縮するはずなのに、なぜこのような事態になってしまったのでしょうか?

推測出来る理由としては、韓国もタイも、日本のような郊外鉄道網を一切持っておらず、地下鉄のような都市内鉄道と国鉄の二系統しかないために、郊外高速鉄道の運営経験が全くないということがあります。

そのためアホなコンサルタントか誰かに騙されて、急行と鈍行の料金を変えようという、馬鹿な価格差別化を設定してしまったのでしょう。しかし一体誰が、10分~20分程度の時間短縮のために、たまにしか来ない急行列車を待って、わざわざ高い運賃を払うというのでしょうか? あまりにもアホすぎます。鈍行に乗った方が普通は早く着くんですから。

その結果、仁川空港鉄道の急行は一日2000人しか乗らないのに、ガラガラの列車を意味もなく運行しつづけているというアホ状態です。せめて失敗を明らかに認めただけバンコクの方がずっとマシです。


この話はアホ過ぎてビジネスの教訓にはならないかもしれませんが、政府や公共部門が本当に愚かな振る舞いをするのは日本に限らず、どの国も一緒ということです。

政府公共部門や大企業などの大組織において、どのようにガバナンスを効かせて、まともな意思決定や組織運営が行われるようにするかというのは、21世紀における最も重要な問題ではないかなと思います。全てのニーズが自由市場だけで解決するわけではありませんから。

また、世界における貧困問題や紛争などの問題は、99%は政府部門がアホすぎるせいで発生しています。べつに空港鉄道が多少アホでも人が死ぬわけではないので、まあ、大した問題ではないのです。しかしこの地球上の多くの領域では、政府がアホすぎるせいで、多くの子供達が飢えや病気や戦争で死んで行っています。

政治と経済という領域が21世紀の最も重要な課題であると私は信じます。ですが、残念ながら政治学も経済学も完全に停滞しており、それを解決する方法はまだ全く見つかっていません。

あれ、なんかタイと韓国の空港鉄道を気軽に馬鹿にするだけの記事のはずが、なんか偉そうになってしまったので、ここで筆を置きます。まあ、世の中、どこの国にも、理不尽なことや愚かなことは沢山ありますねと。


余談: ちなみに成田空港のようにそもそも空港自体がとてつもない大失敗である件に比べればずっとマシな話です。成田空港は悲惨すぎて馬鹿にする気にもならないですね。考えると気分が暗くなってしまうので。逆に空港と空港鉄道が模範とすべきなのは香港国際空港ですね。あれは素晴らしい。

2015年10月31日土曜日

サルサDJを始めるための基礎知識

私がサルサDJを始めてから数年が経ちました。福岡では新しくDJを始める人が大勢いて盛り上がってきています。ここで友人知人やその他で、サルサDJを始めたい人のために基礎知識を書こうと思います。世の中にDJの情報は色々ありますが、サルサDJは、他のジャンルとは全く異なるので、あまりネット上の情報は役に立ちません。

サルサDJは、他のジャンルのDJと異なり、DJとしての特別な知識や技量は必要ありません。サルサの音楽を愛しており、沢山の曲を持っていて、さらに家で普段から良い音でサルサを聴いているサルサダンス上級者であれば、すぐにでもDJを始めることができます。

(ちなみにこれはサルサDJが簡単という意味ではないです。色々な趣味を持つお客様を広く満足させるのは、かなり大変ではないでしょうか。特別な技量が要らないだけに、DJの曲の知識と趣味が直接問われますし、批判も多いです。さらにバーでプレイするなら、お酒の売り上げも増えるように考えなければなりませんしね。)

・機材

サルサDJの機材は、パソコンにUSBオーディオ出力インタフェースを接続して行うのが基本と思います。オーディオ出力インタフェースがないと、再生中に次の曲を探すためにヘッドホンでの試聴が出来ないので、オーディオ出力インタフェースは必須です。

他のジャンルのDJと異なり、サルサでは決して曲をミックスしてはいけませんので、DJコントローラーは不要です。

パソコン用のオーディオ出力インタフェースには、DJ専用のもの、オーディオ用のもの、安価なパソコン周辺機器のものなどがあります。

音質にシビアでなければ、安価なUSBオーディオデバイスをヘッドホン用にして、パソコンのヘッドホン出力からスピーカーに再生すればいいでしょう。本当に安いものであれば、1000円以下でも探せると思います。Amazonで「usb オーディオ」などで検索すればでてきます。

もちろん定期的にDJをするのであれば、お客様のためにも当然1万円くらいのちゃんとした製品を買うほうが良いとは思いますが。

タブレットやスマートフォンからDJをするのはちょっとトリッキーです。USBのような標準の外部インタフェースがありませんので、専用機器と専用ソフトウェアを接続して行うことになります。iOS用であればTraktor Audio 2などの製品がありますが、Android用のDJ製品があるのかどうかはちょっと良く分かりませんでした。

・ソフトウェア

DJ用ソフトウェアは、サルサDJならば何でも良いのではないかと思います。私の周りではVirtual DJを使っている人が多いようです。私はTraktor Proを使っていますが、どうもプレイリストの自動再生機能がちょっと使いにくいので、いまいちサルサDJには向いていないように思います。

・曲を入手する

サルサDJをする上で、一番難しいのが曲を入手することです。

ラテンの曲が一番揃っているのは、iTunes Storeの米国版かと思います。iTunes Storeの米国版を使うには、米国版iTunesカードを購入してそれで支払をするしかありません。割高だし、面倒なのですが、現在の所は他に方法がないので仕方が無いですね。私はこちらのサイトからカードを購入しています。

他には、日本のAmazonダウンロード販売でダウンロードしたり、Amazonから普通にCDを購入したり、ラテン音楽ネットなどの専門サイトからCDを購入したりする方法があります。

一つ注意点としては、クラブの大音量で再生するときは音質が問われますので、家でもなるべく良い音で普段から音楽を聴く方が良いかと思います。世の中には音質が悪かったり、演奏の質が悪かったりする曲もあるけれど、そういうものはきちんとした音で聴かないと分からなかったりするものなので。

あとiTunes Storeなどでは、有名な曲を検索すると、多くの無名演奏家によるカバー演奏が掲載されていることにも注意が必要です。よほどの理由がなければ、名曲のカバーをわざわざ選んでプレイする必然性はないでしょう。皆が知っている元の名曲をかけるべきです。

・曲を選ぶ

サルサDJの仕事は、とにかく曲を選ぶことに尽きます。どんな曲をかけるかは、もちろん趣味の問題ですから、私がアドバイスできることはありませんが、あまり趣味に走りすぎず、多くのお客様が楽しめる名曲をかけるようにしたいものですね。

サルサであれば、BPM (Beat Per Minute, 曲の速さ)は97あたりが標準で、90~100くらいが普通に踊りやすい範囲でしょう。フロアが初心者ばかりであれば、80~90もアリだと思います。105以上のBPMは、とても速いので、たまに盛り上がったタイミングでかけるくらいが無難だと思います。(もちろんメレンゲとバチャータは全く別のテンポです)

(BPMは曲をDJソフトウェアに投入すると自動的に解析されて表示されます)

曲の長さは、4分くらいがベストです。実際には、そこまで短い曲は少ないので、4~5分の曲を選んでかけることになるでしょう。5分を超えると、踊っている方としては、結構長く感じます。6分の曲は、ごくごくたまにかけるくらいならアリでしょうか。7分以上の曲は絶対にやめたほうがいいですね。

サルサDJは曲をかけてる最中はとくにすることはないでしょう。DJソフトウェアを使えば、音量なども自動的に適切なものに調整してくれますし、やることはありません。次の曲を選んで自動再生をセットしたら踊りにいってもOKです。

・曲を編集する

先ほど書いたように、サルサDJでは、踊る人の都合を考えると、曲はなるべく5分までの長さに抑える必要があります。

しかしDJとしては長くても「この曲は是非かけたい!」という曲もありますよね。そういうときに役に立つのが音楽編集ソフトです。これを使えば、曲を編集して途中を切断してつなぎなおしたりして、短く編集することができます。

私が使っているのはAbleton Liveというソフトですが、他にも色々なソフトがあると思います。こうしたソフトは、DJソフトと同じようにテンポ解析機能が入っているので、うまく行けば、あまり苦労せずに曲を切断してつなぐことができます。(ま、実際はかなり苦労したりしますが・・・)

プレイ中に、曲をフェードアウトしたり、曲の途中で他の曲に切り替えたりするDJもいますが、踊ってる方からすると途中で曲を切られるのはかなり違和感がありますので、なるべくやるべきではないでしょう。わざわざフェードアウトしなくても、世の中には5分以内で良い曲が沢山あるのだから、そういう曲をかけるべきです。

あらかじめ音楽編集ソフトで、不要なコーラスの部分などを切断してリミックスしておけば、現場で曲を叩ききるよりも、ずっと自然に気持ちよく踊ってもらうことができます。もちろん皆が知っているような有名な曲はリミックスするべきじゃないですが。曲を知ってる人は、それに合わせて踊りますからね。

どうしてもフェードアウトをするとしても、単にフェーダーを下げて曲を途中で終われば良いというものではなく、曲のちょうどよいタイミングで、ちょうどよい速度でフェーダーを下げなければならないので、あらかじめ編集しておけば、ずっと容易にスムースなフェードアウトをすることができます。

もちろん次の曲をミックスしてスムースに別の曲につなぐのは言語道断で迷惑千万なので、絶対にやってはいけません。サルサを踊る人ならご存じの通り、どこで踊るのをやめれば良いかわからなくなり、困惑して非常に嫌な気分になるからです。(ちなみにサルサを普段から外に踊りに行かない人はサルサDJをするべきではないですね)

2015年7月27日月曜日

意外と難しいSaaSの料金体系。どのようにすべきなのか?

新規ビジネスにとって料金設定(プライシング)というのは最も難しい悩みの一つだと感じます。料金設定を間違えてしまえば、どれだけ優れた商品であっても失敗してしまいます。

とくにSaaS(クラウド型ソフトウェアサービス)の料金設定は、まだ各社ともに試行錯誤ともいえる状況で、参考に出来る情報なども少ないように思います。

SaaSの料金体系には、ざっと思いつくだけで以下のような方式があります。
  • 初期費用
  • 月額費用
  • IDあたり費用
  • データ量あたり費用
  • 使用回数あたり費用
  • その他の従量費用
  • 料金プラン制

このなかで、罠と言えるのが「IDあたり費用」ではないかと思います。

ユーザIDの数が、ソフトウェアの利用価値と直結しているようなソフトウェアであれば、ユーザIDで課金することには合理性があります。しかし単純な顧客管理ソフトウェアなどは、アカウントを複数人で共有しても価値があまり変わらず、ユーザ数単位で課金することは顧客にとって納得性が低いものになります。

ソフトウェア業界の慣習としてユーザ数課金が行われてきましたが、多くのユーザが様々なデバイスからソフトウェアを利用する時代に、ユーザ数課金はそぐわない場合もあるかと思います。


さて、ここで可変的な料金設定にはどのような意味があるのかを基本から考えてみましょう。

IaaSと異なりSaaSでは、多くの場合は、ユーザの利用量によってコストが大きく変わるというわけではありません。

そのため顧客の利用パターンによって料金を変えるのは、より多くのお金を払っても良いと思う顧客から、より多くのお金を取るという意味になります。いわゆる価格差別やバージョニングと言われる概念です。(詳しくは「ネットワーク経済」の法則を参照)

通常は、顧客が得られる価値によって価格を変えるのが適切と思われます。

すなわち、もしユーザアカウントを増やすことによって価値が得られないのであれば、ユーザアカウントによって課金するべきではない、ということです。


データ量による課金や、従量制課金には、問題点として、どれくらいの料金がかかるのか前もってわかりにくいとか、複雑だということがあるかと思います。

データ量による課金とは、例えば、名刺管理ソフトなら、保有できる名刺データの最大枚数とか、そういったもので課金する方式です。これだと、活用している程度によって金額が変わるので、ある程度の納得感があります。

妥当性をもった予測可能な価格設定になっていれば、利用料金が変動すること自体は問題がないのではないかと感じます。(メイシーでの経験上)


料金プランの設定には注意が必要です。最近流行のSaaSですと、よく上中下みたいな3プランを用意しているものが多く見受けられます。

しかし、多様な顧客の要望にほんとうに3パターンだけで応えられるものでしょうか?

上中下で、上が月額5万円、中が月額1万円、下が月額2千円などとなると、あまりにギャップが開きすぎていて、そのあいだを望む顧客は失望することでしょう。

私は実際にOptimizelyというサービスを昔に使っていまいたが、料金プランに納得感がなくて利用継続をやめました。

複雑な料金体系であっても、細かい価格設定によって、納得感のある支払ができるようにしたほうが顧客のニーズに応えられると思います。

なぜなら、ビジネス利用されるお客様で「多少お金を余分に払ってもいいから、簡単な料金プランで分かりやすいようにしてくれ!」なんて考えるお客様は滅多にいないからです。(というか、もしそういうお客様がいたら特別プランを作成してあげればよろしい)


初期費用ですが、これは法人向け製品であれば、なるべく設定するべきだと思います。

その理由ですが、営業宣伝費用の早期回収につながることでビジネスの成長を圧倒的に速くできることがまずひとつあります。これは極めて重要です。

もうひとつは顧客にとって新規ソフトウェア製品の導入は、そもそも支払額以上に手間がかかりコストがかかるものなので、初期費用を払うことにはさほどの追加の抵抗感がないということです。

日本のお客様は、月額費用のように継続して発生する費用には抵抗感があることが多いものです。


最後に、価格設定一般の話になりますが、商品の価格は高ければ高いほど、ビジネスは楽になる、というのが私の考えです。

コカコーラやマクドナルドのように100円の物を売って儲けるのは、きわめて難しいことであり、多くの起業家にとってそのようなビジネスを作り上げるのは困難でしょう。なぜなら広告宣伝費や販売チャネル構築などの初期投資が多くかかること、大量生産と大量販売を行うには組織の能力が大きく問われるからです。

それに比べて、ソフトウェア受託開発業、人材派遣業、不動産業、コンサルティング業など、顧客単価が数百万円を超えるような商売では、超零細企業であっても生きていけますし、それどころか、ボロ儲けしてる場合すらあります。

(ただし、もちろん簡単に構築できるビジネスほど、労働集約性が高いので、商売のウマみは少なくなります。)

弊社の経験からも、通常の中小企業であれば、顧客単価は10万円を最低ラインと考えるのが良いかと思います。なぜなら顧客獲得単価は最低でも数万円はかかるからです。できれば、そのうち5万円くらいは初期費用として回収してしまえると、資金回転率が改善するでしょう。

できれば、一社から年間100万円以上の粗利を獲得できるようになれば、大幅にビジネスは楽になります。大企業のように安く沢山売ろうなどとは考えないことです。

さらに厳しいことを言うと、ソフトウェアの限界費用は0円なので、新規参入が増えれば増えるほど値段は安くなっていきます。儲けられるうちに儲けるというのは良い考えですし、価格を高くして面倒なことを引き受ければ引き受けるほど、新規参入者にやられにくくなります。

「顧客単価」を考えるだけで、ビジネスが無残にも離陸すらせずに墜落してしまうことが少しは避けられるのではないかと思います。参考になれば幸いです。


参考: ソフトウェアの価格について以前書いた記事もあわせてご参照ください。

2015年7月6日月曜日

流行のIT技術を追うのをやめたらプログラマとして成長した話

私はもともと普通のプログラマとしてキャリアをスタートしましたが、2007年くらいから脱プログラマを目指してソフトウェア起業家として経営に軸足を移してきました。

それから8年くらいが経過して思うのは、経営者として大きな成功をおさめる前に、自分のプログラマとしての実力がめきめきとアップしてしまったということです。

8年前の私は、プログラマとしては基礎力はあるものの全般的には未熟であったように思います。コードも荒削りで、とにかくかろうじて動くものを作ることに四苦八苦していました。が、いまはプログラマとしてずっと良い仕事ができています。

この8年間は、自分でコードも書いていたので、経験が増えたことによって、良いコードを書けるようになったという面も多々あるとは思います。しかし、そのあいだ技術書を読むことはすっかりやめてしまい、流行の技術などは完全無視してきました。

経営層の一員として働くので、プロジェクトマネジメント能力や総合企画力や折衝能力などがあがった面もありますが、それよりもシステム設計力やアルゴリズム力などのプログラマとしての基本能力が大きくあがったと感じています。

いま振り返って思うのは、バリバリのプログラマを目指して活動していたときは、流行の技術を追うことに必死すぎたなということです。

どうしてもプログラマというのは新しいツールやら言語やら方法論やらがでてくれば、ついつい調査してしまいますし、追いかけていないと不安になってしまいます。

その結果として、ひたすら技術書ばかり読みまくって勉強会にでまくるプログラマのできあがりとなります。

それは悪いことではないし、プログラマとしてそういうのが必要な時期もあるかと思うのですが、弊害としては、プログラマの基本能力作りがおろそかになったり、不安感にかられて軸足がふらついてしまうようなデメリットがあるかと感じます。

最悪の場合は「目の前にある現実の問題を解く」ということを軽視して、使ったこともない最新のツールや方法論ばかりを社内や顧客にむかってわめきちらす迷惑な意識高いプログラマとなってしまいかねません。

流行のツールや方法論のなかには、いろいろと筋の悪いものも含まれており、そういうものに下手にはまってしまうと悲惨なことになる場合も多々あるんですよね。また、そういった流行の技術には、変に思想性が強いものが多くて、そういう思想にかぶれることで問題解決の本質に目が行かなくなる恐れがあります。

私もバリバリプログラマ時代には、かなりの不安感を持って、押し流されるような気持ちでプログラミングをやってきました。Aという技術が理解できない自分はバカじゃないかとか、Bという技術が使えないのに生き残れるのか? など不安でいっぱいでした。

今考えれば、そんなことはどうでもよくて、自分の強みと、解くべき問題にフォーカスすべきだったんだよ!ということなのですが・・・


さて、若いみなさんはこの記事を読んですっかり老害乙とおもわれたことでしょうが、ここからさらに老害力をあげて説教モード全開でいきたいとおもいます。

技術のなかには、すぐに廃れるようなものもあれば、長く生き残っていくものもあります。私は、流行のツールばかり持てはやされる現在のプログラマ業界にかなり不安感を抱いています。

例えば、以下のような技術はこの10~20年間、本質的にはほとんど変わっていません。昔に学んだことは、そのまま今でも使えることばかりです。

  • リレーショナルデータベースのテーブル設計とSQLクエリの記述
  • アルゴリズムとその他の計算機科学
  • システムプログラミング (C言語によるプログラミングとか)
  • 基本的な業務知識(たとえば簿記会計など)
  • IPとイーサネットによるネットワーキング
  • コンピュータセキュリティや暗号理論
  • ユーザインタフェースとデザイン

これからあなたが流行の新ツール "SuperduperX"を学んだとしても、たぶんその知識は数年後には役立たずです。しかし、こうした基礎を学んでいれば、たぶん10年後もいくらか役に立つことでしょう。

そういうことに気付いてしまった私は、すっかり流行の技術を追うのをやめて、幸せなプログラマとして、毎日を目の前の問題解決に費やしています。

まあ、べつに流行のツールを積極的に学びたい人を止めるつもりはありませんが、不安感と焦燥感に駆られて、新技術ばっかりを追うことはないですよ、と。

あと自分が苦手なことがあったり、理解できないことがあったりしても、それをコンプレックスのように思う必要はないかと思います。全ての技術を使いこなせるスーパープログラマなんて、まず存在しないですからね。

流行の技術には、はっきりいって完全なデタラメみたいなものもあるので、「これ、わけわからないなー」と思ったら、自分の直感に従って無視するほうが良いかと思います。

そして、プログラムを書く目的は、あくまで問題解決のためですから、目の前の問題をどんどん解決していきましょう!

問題解決といえばワインバーグの名著「コンサルタントの秘密」ですね。唐突なアフィリンクですが、まあ、この本はなんど紹介しても足りないくらいの名著ですので・・・ やたら読みにくいですが、間を置いて三回くらい読めば分かるようになるでしょう。


2015年2月9日月曜日

無駄に強くて危ない鎮痛剤を飲んでませんか?

こんにちは、新井です

私は趣味で医学や薬学を学んでいるのですが、そうすると実際の生活の上で役に立つ知識が沢山得られます。医学や薬学は趣味レベルのちょっとした知識でも、すぐに役に立つので大変にお勧めできる趣味です。みなさんも学んでみませんか?

さて、今日の本題ですが、皆さんは誰でも鎮痛剤を普段常備していて、頭痛やなにか痛みがあったりしたら飲むことが多いかと思います。

しかし、薬店で売られている鎮痛剤と言っても、強いものと弱いものの二種類があることはご存じない方が多いのではないでしょうか。

一般的な鎮痛剤には、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)とアセトアミノフェンの二種類があります。

NSAIDsには数多くの薬があり、有名なものでアスピリン(アセチルサリチル酸)、イブプロフェン、ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)、ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)などがあります。

NSAIDsは、強い鎮痛作用や解熱作用を持つだけでなく、炎症を抑える働きがあるので、炎症を伴う痛みに最適です。その代わり、胃腸障害の強い副作用があります。

アセトアミノフェンは、鎮痛作用と解熱作用を持ちますが、炎症を抑える働きがありません。その代わり、副作用が少なく安全な薬です。

NSAIDsの胃腸への副作用は強く、多くの人が胃の不快感などを感じ、ひどい人では胃潰瘍などの重篤な症状を引き起こすことがあります。

NSAIDsは強い副作用があるので、ちょっとした頭痛のときなどに気軽に飲むべき薬ではありませんが、その理解がされずにロキソニンなど有名だから気軽に飲んでいる人が多く見られます。薬店で売っている薬だから安全とは限らないのです。

また子供には、あまりNSAIDsを飲ませないほうが良いとされています。子供にはアセトアミノフェンというのが常識です。例えば、普通のバファリンはアスピリンを含むのに対して、小児用バファリンはアセトアミノフェンのみ含んでいます。

ちょっとした頭痛や痛みのときは、まずアセトアミノフェンを飲むようにしたほうがいいでしょう。ひどい痛みや、炎症を伴う場合にだけ、NSAIDsを胃腸薬と合わせて飲むのが良いかと思います。バファリンなどはNSAIDと胃腸薬がはじめから混合されているので便利です。

薬店では主にタイレノールというブランドのアセトアミノフェン製剤が売られているかと思います。すぐどこでも買えるので便利ですね。

2015年2月1日日曜日

プログラマー技術評価サイトpaizaについて

プログラマー技術評価サイトのpaizaというのを試してみたので、その話をします。

昔、私が思いついた事業アイデアの一つに、問題を出してプログラマーの技術評価をするウェブサイトを運営するというものがありました。そのため、こうした事業には強い興味を持っています。

このようなサイトは各種ありますが、paizaの特徴は

  1. 明確にランク分けされており、分かりやすい。画像なども美しく、問題を解くモチベーションが高まる。いわゆるgamificationという奴ですかね。
  2. ランクを上げるのには、一つだけ問題を解けば良く、暇人でなくてもランクを上げることができる。これは大変良いです。codeevalは多数の問題を解かねばならないようで、げんなりします。
  3. 転職サイトが合体しており、「このランクならこの求人に応募できる!」というのがあり、さらにモチベーションが高まります。素晴らしい。
  4. 同じ問題は一度しか挑戦できない。
などがあるかと思いました。とにかく完成度が高く、開発運営するのにいくらかかってるんだろ?と心配になってしまうくらいです。


いくつか実際に問題を解いてみましたので、そこから各ランクについて、どれくらいのスキル感かを考えてみます。

Bランクの問題では、「最遅出社時刻」というものを解きました。これは、アルゴリズムはシンプルなもので解けますが、問題文をきちんと把握して、それをプログラムに落とすには、気を遣う内容と思いました。この問題が解けるなら、プログラマとして即戦力で働けるレベルのコーディング力かなと思います。

Aランクの問題では、「ビームの反射」というのを解きましたが、これは簡単すぎるかなと思いました。Bランクの問題に比べてとくに難しいとは思わなかったです。というか「最遅出社時刻」より簡単でした。paizaの方式だと、一つ簡単な問題があると、ランクが取れてしまうのは問題ですね。

Sランクの問題では、「データヒストグラム」というのを解きましたが、かなり手強かったです。実務で同じような問題を解いたことがあるので46分で解けましたが、そうじゃなければ時間かかりすぎて諦めていたかもしれません。

Sランクの問題が解けるなら、一般のIT企業で普通にプログラマーの仕事をする分には、コーディング力で詰まるということはまず無いかと思いますね。これを「スーパープログラマー」と呼ぶのには抵抗がありますが、多くの企業にとっては十分すぎるレベルではないでしょうか。

ちなみに私はプログラミングコンテストみたいなものには一切縁の無い普通のプログラマーです。プログラミング歴だけはめちゃくちゃ長い(30年以上)ので、それなりには書けますけどね・・・


という感じで、問題も結構良く出来ており、プログラマを雇う参考にしたり、プログラマが自分のコーディング力のレベルを把握するには、すごく分かりやすいかなと思いました。

paizaは転職サイトとしても大変よいなあ、と思ったので、もっと普及してくれるといいですね。もし弊社が一般採用することになれば、是非利用したいものです。

あとは問題にバラエティが広がり、各種APIの利用やら、専門分野のプログラミングやら、果てはもっと大型の問題など、いろいろ増えると面白いでしょう。

各企業としてはデータベースプログラミング能力については是非知りたいところでしょうね。sqliteを使えば、データベースを設計して問題を解くところまで一気にできますので、面白いかと思いますね。

「プログラマが正しく評価されていない!」とか愚痴を言う人は大勢いますが、こうやって解決策を実際に提示する人は本当に素晴らしいと思います。

やっぱり日本には起業家が足りない!

「日本には起業家が足りない」なんてことを安易に言う人々には、皆さんもうんざりしていることかとは思います。しかしやっぱり全然足りないですね・・・

日本には優秀なプログラマは大勢いるかと思いますが、彼らがシリコンバレー並みの待遇を得られない理由の多くは、やはりビジネスを作ってお金にできる人が足りないということに尽きるでしょう。

ソフトウェアを活用して大金を稼ぐ人がどんどん増えてくれば、プログラマの待遇も上がるでしょう。

まだまだ日本にはソフトウェアビジネスを立ち上げる多数の余地があると私は思います。私自身も色々なアイデアを持っていますが、全てを実現する時間や金はありません。


とはいえ、ビジネスを作るというのは簡単なことではありません。

受託開発のように、労力を売って稼ぐ商売であれば、優秀な人であれば、比較的簡単に立ち上げることができるでしょう。初月から一人あたり数十万円以上の売上が立ちますからね。[1]

しかし独自製品販売のように仕組み作りが必要な商売になってくると、失敗率もぐっと上がってきますし、売上が立つようになるまでには時間と費用を負担しなければなりません。そうすると、単なるプログラミング能力+営業力というレベルではやっていけなくなります。

起業家になるためには学校に行って何かを学ぶとか、特定のスキルを身につけるという話ではありません。起業して、実地で学ぶしかないのです。

どうしても多数の失敗を重ね、その経験から学び、なんとかして事業を成功させて行くしかないでしょう。はっきりいって本当に大変な仕事なので、誰にでも勧められるというものではありません。


起業には、なによりも資金力か時間が必要になってきます。

なぜなら失敗を重ねて学び、いつか成功につなげるためには、資金か時間のどちらか、または両方を注ぎ込まなければいけないからです。

では、普通の人には起業は難しいのでしょうか? そうとも限らないのが、今のIT業界の状況です。

2014年を振り返ってみると、ベンチャーキャピタル[2]がとても活発に活動しており、投資を受けやすい年であったな、と思います。

またプログラマやその他の人材なども、かなりスタートアップ企業[3]に興味を持っており、何の実績も無いような零細企業であっても、ちゃんとした人を雇える状況になってきているようです。

そうなると、アイデア、チーム、実績、やる気、スキル(主にプログラミングか営業力)のようなものがいくつかあれば、誰でも起業することは可能という状況になってきています。

とくに自分や仲間がプログラムが書けるなら、当面は自分たちの生活費だけでいけますので、小額の資金を受け取るだけでも、かなり進捗をだせるので有利です。製品が完成すれば、また次の資金を受け取ることもできるでしょう。

2014年は、本当に起業やベンチャーキャピタルなどが身近になってきた年だったかな、と思います。ぜひここで起業家がどんどん出てきてくれるといいかなと思いますね。


素晴らしい大企業に勤めてるような人にとっては起業はリスクですが、もともと自分の実力で食べているような若者にとっては起業はリスクでも何でもないでしょう。

最悪、失敗して借金[4]かぶっても、ヤクザからお金を借りたりしなければ大丈夫ですって。

ただ日本ではキャリアを捨てるということは大きなリスクだと思うので、中高年の勤め人は安易に会社を辞めたりしないほうがいいと思いますね。私は中卒ニートなので、まともな会社員の人生は良く分かりませんが、起業失敗して損した人は結構見てきました。

個人的には起業することをそんなに薦めないですけど、やってみたい人にとっては今は大きなチャンスなんじゃないですかね? 少なくとも仕事にやりがいがあることだけは保証します。

  1. 受託開発が悪いというわけではないが、価格はプログラマ全体の需給で決まってくるので、個人が飛び抜けて高給を取るのは難しいでしょうね。もちろん他の人では実現できない能力によって、顧客企業に大きな利益をもたらせれば別ですが。
  2. ベンチャーキャピタルとは、企業に対して資本金としてお金を渡す代わりに株を受け取り、その企業を上場させるか他社に売却させるかして、お金を稼ぐという投資業です。融資と違って、失敗したら返さなくて良いのがメリットですが、しれっと「失敗したら創業者本人が買い取る」とかいう条項を契約書にいれてたりするので気をつけましょう・・・
  3. スタートアップ企業という言葉が、この数年、主に東京のIT業界でちょっとしたブームになっているように感じます。スタートアップ企業とは、主にベンチャーキャピタルの投資を受けて、極めて速いスピードで成長を目指す企業のことです(たぶん)
  4. 日本では起業家に金を貸してくれる金融機関なんてない!という人もいますが、実際は国金(日本政策金融公庫)がたぶん貸してくれると思います。とりあえず相談に行きましょう。最近は、本人保証[5]無しのプランもあるという噂なので、それならベンチャーキャピタルよりずっと安い資本コストで調達できるので、もし取れれば非常においしいですね。
  5. 法人が金融機関から融資を受ける場合は、基本的に経営者本人の保証が求められます。そのため法人が倒産すると、経営者は、金融機関からの融資に関しては、個人として返済することを求められます。でも、まともな金融機関なら腎臓売れとか言わないと思いますよ。

2015年の近況

たまには近況報告をしてみます。

まず個人的なことですが、私はいま台北で、趣味の中国語を学んでいます。学校に通っているのですが、思ったより時間が取られてしまい、仕事との両立に大変苦心しており、疲れ切っています。まあ、これもあと2週間で終わりなので、一安心です。

弊社、株式会社もぐらではメイシーをリリースして以来、新しい製品などを出してきませんでしたが、ようやく社内の体制も整い、現在は全力で新しい製品を開発しています。

新製品の第一弾は近いうちにリリースできる予定です。

第二弾も現在準備しており、第一弾をリリース次第、本格的な開発に取りかかる予定です。他にも様々なアイデアが山ほどあるのですが、人も金も足りないという状況ですね。

どちらも非常にスケール感を重視した製品となっており、うまく成功すれば場外ホームランも狙えるかな、と、わくわくしております。

これまでの経験を活かして、とにかく最速でスケール感を出せる事業を立ち上げるにはどうしたらいいか、そればかりを考えてやっています。数あるアイデアの中でも「速度」と「スケール感」を重視して取捨選択しています。もちろんやっていて面白いというのも大事なことですが。

弊社はいまのところ投資を受けずに事業を運営しているので、なかなかスピードが上がらないのがもどかしいところです。

投資を絶対受けたくないというわけでもないのですが、弊社の小林は他の会社も経営していたり、私は旅行しまくっていたり、二人とも自由にやってるので、これで投資を受けたらまずいかな~? という感じです。

もちろん我々も仕事の手を抜いているわけではないですし、本当に情熱を持ってやっていますので、他社に負けない自信を持っていますが、外形的に見ると「こいつら働いてないな~」という印象を持たれてしまうかな、と。

怖くなく暖かく静かに見守ってくれる投資家がいればいいんですけどね。などと調子の良いことを思っております。

まあ、とにかく仕事は大変楽しいので、仕事が最大の趣味と化しております。その分、他の趣味がどんどん割を食っており、ブログなどもなかなか書くことがない状態です。

あまり他のことに時間を使いたくないので、今回、中国語の授業を取ったのはちょっと失敗だったな、と思っています。息抜き程度にやれれば良かったんですが、授業の進度が速くて、とても息抜きどころではなかったですね。

2015年1月14日水曜日

中小企業のための最低限度のITセキュリティポリシー


一般企業向けのITセキュリティに関する指針は各種あれど、現実離れした理念的なものや、細かいことにこだわるばかりで実用性のないものなどを多く目にします。

個人的にもITセキュリティを高めることは日本の企業にとっても大変重要であると考えています。

が、多くの中小企業にとって、費用や手間のかかるITセキュリティ対策を実施することは現実的ではありません。

そこで、現実的に「脅威度」と「対策の容易性」に応じて、優先順位の高いものだけを掲載したセキュリティポリシーを作成してみました。あまりセキュリティに費用や手間はかけられないが、最低限度のセキュリティだけは担保したいという企業にお勧めです。

免責条項: 本ポリシーに従うことでITセキュリティが担保されることを保証するものではなく、本ポリシーには重大な間違いや抜けを含む場合があります。本ポリシーは、利用者が自己の完全な責任のもとに任意に使用するものとし、著者は利用者が本ポリシーに従ったことにより生じた一切の責任を負わないものとします。

(個人的に作ったものなので、色々足りない点やおかしい点などあるかと思います。コメントやブコメなどでご指摘頂ければ幸いです!)