2017年12月7日木曜日

Esquire miniとBeoplay P2とBose Soundlink miniを自腹で比較したよ

僕はイヤホンで音楽を楽しむのがあまり好きじゃないので、海外旅行するときにはスピーカーを持ち歩いてます。最近はそういうニーズが結構あるらしくて、小型軽量のBluetoothスピーカーがいくつか登場しているので、買ってみましたので音質をレビューします。



Harman Kardon Esquire miniは、小型スピーカーの中でも最も美しいものでしょう。金属っぽさのある表面と革張りの裏面となっており、かなり格好いいです。とても薄くて軽くて持ち運びにも便利そうです。

肝心の音質なのですが、いかにも小型で安物のスピーカーという安っぽい音がします。低音は全く出ないですし、高音は致命的にシャカシャカします。中域はまあ良い感じで伸びてますが、やはり音が軽いですよね。

正直、このスピーカーで本気で音楽を聴こうとは思わないですし、この音質だと、わざわざ旅行へ持って行くのも面倒かなという程度です。そりゃもちろんノートパソコンのスピーカーよりはずっといいですけど。音にこだわりのある人には全くお勧めしません。

はっきり言って買って損しました。




B&O Beoplay P2もEsquire miniとほぼ同じくらいの小型スピーカーです。若干重く、若干分厚いですが、そんなには変わりません。

Beoplay P2は140×80×28mm 275gなのに対して、Esquire miniは140×76×24mm 238gとなります。容積で22%大きく、質量で16%重いという程度です。

デザインは悪くはないのですが、側面と裏面は安っぽいプラスチックなので、Esquire miniに比べると質感で圧倒的に劣ります。こちらの方が値段は2倍なのですが、高級感は半分以下です。

肝心の音質ですが、低音がとても豊かです。小さいサイズからは信じられないような豊かで安定した低音がでます。中域もしっかりしていて美しいです。高域は近くで聞くと非常にシャリシャリして安っぽく聞こえます。

対策としては、やや遠くに離して設置することで、高域のシャリシャリ感は解消されて、全体としてまとまった良い音に聞こえます。これだけの音がでれば旅行用としてはオッケーかなという感じです。持ち運びしやすいので荷物を増やしたくないときにピッタリです。

最大音量にするとものすごい音がでますので、屋外のパーティなどにもいいんじゃないかと思いますが、まだ試せていませんので、音質のほどは不明です。

充電がUSB Type-Cなのは、僕のスマホと同じなのでとても便利ですね。

旅行用としては、かなりお勧めです。家に置くには物足りないと思いますが。

(追記)

旅行に出る前は、音質を低く評価していたのですが、実際に旅先で聴いたら十分に満足できたので、評価を上げています(本文も書き換えました)。

かさばらないギリギリのサイズで、これだけの音質が出るのなら十分だと思います。Bose Soundlink Miniはかなりかさばるので通常の旅行には邪魔ですから。




Bose Soundlink Miniは180×59×51mm 680gと、上記二つのスピーカーに比べて2倍以上のサイズと重さを持つので、同列に比較するのはフェアではないかもしれません。スピーカーは大きければ大きいほど良い音がしますからね。

筐体も金属でゴツく、いかにもスピーカーという感じです。ズシッときます。旅行荷物に入れて持ち運ぶのは、そんなに苦ではありませんが、ややスペースは食いますね。

その代わり、音質は素晴らしいです。低域から高域までしっかり出ますし、音の細かい部分を繊細かつ複雑に再現してくれます。一つ一つの音に重みがあり、小型や安物のスピーカーとは明らかに一線を画します。

低域は強調されすぎてると思いますが、それは好みに応じて音楽プレーヤーのイコライザーで調整すればいいでしょう。とはいえ、ここまで低域を強調するなら、できれば本体で調整できるようにしてほしかったですね。

このスピーカーは、小型スピーカーであるにもかかわらず、普通に家に置いて、据え置き型スピーカーとして使っても不足感がないほどだと思います。

超おすすめです。



最後に番外編ですが、X-miniというスピーカーがたまたまAmazonでたった1,000円で買えたので、それも試してみました。ちなみにこのモデルはBluetoothではなく、有線接続のみです。

まあ、音質は値段相応のものですので、わざわざ買う意味も無かったかもしれませんが、とにかく小さく折りたたむことができるので、携帯性を最重視される方には面白いかと思います。スピーカーを折りたたんで収納して、使用時には展開するというアイデアは非常に面白いです。

ちなみに音質としては、非常にノイジーな音なんですけど、音量感があり、意外と伸び感もあり、独特の味があるので、ノートパソコンのスピーカーよりはだいぶマシかなっ、という感じです。まあ、千円なら全然許せます。

2017年12月4日月曜日

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ。

そもそもキューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件について、忘れてる人や知らない人がいるかもしれないので、説明してみる。

キューバとの国交回復に伴って再開された在ハバナ米国大使館では、21人の職員が、聴覚障害や認知問題、視覚障害、不眠などの症状に長らく悩ませられており、米国政府は、これを何らかの攻撃によるものだと考えているという。在米キューバ大使館の職員数名を国外退去させるなど、キューバ政府にも責任があるとしている。

この記事は、米大使館から多くの職員が退避することになったというものだが、記事内では米国政府が調査のためFBI捜査員を派遣したが、何も発見できなかったということも紹介している。

この記事自体は、ただ米政府の見解を紹介するだけのつまらない記事なんだが、コメント欄で非常に多様な議論が繰り広げられていたので以下に抜粋かつ要約で紹介したいと思う。

単純な意見から、とても知的な意見まで幅広くて、非常に面白かった。ちなみに要約はものすごく手抜きで時間をかけずに適当におこなっているのでものすごく文章が変わっていることを諒解願う。


  • Robert - 何がこの攻撃の動機なのか? キューバ政府にはそのような動機も技術もない。この攻撃から米国もキューバも利益を得ることがない。では誰が最大の利益を得るか? それはプーチンのロシアだ。
  • WmC - 訴えている症状は曖昧かつ多彩で、攻撃によるものと決めつけるのは早すぎる。FBI捜査員に入国して捜査することを認めるキューバ政府の対応もそうだ。これを攻撃と決めつけて大使館員を退避させるのはトランプの政治的理由によるこじつけだろう。
  • Victor Mark - 私は行動神経学の研究者だが、このような多彩な訴えを示す集団が、検査でも全く原因がわからない場合、集団ヒステリーだろうと思う。集団ヒステリーは実際に深刻な病気なのだが、外部の原因によって引き起こされるものではなく、無意識のうちに引き起こされる。神経科医による診察が必要だ。
  • Francisco Cebollero - 私はカリブ海で臨床している医師だが、こうした症状はアルボウイルス感染症だと考えられる。地域外から旅行してきた者は、免疫がないのでかかりやすい。
  • Jim Z - キューバと米国の関係改善で、一番わりを食ってるのは誰だと思う? 在キューバ北朝鮮大使館だろう。北朝鮮の奴らは海外でむちゃくちゃやることで有名だからな。
  • Kara Ben Nemsi - FBIは現地で何の手がかりも得られなかったし、職員の臨床検査結果からも何らの手がかりを得られなかったんだろう。こうした症状は攻撃によるものではない。これは環境要因によって起きたことではないか。

    国務省がするべきなのはFBI捜査員ではなく、疫学者を現地に連れて行って調査することだ。

    自分なら大使館の建物を疑う。同じ症状を呈したカナダ人大使館員が建物を訪れたのはいつか? 症状のあった者となかった者の行動の違いはなにか? 全員が食べたものはなにか? 症状のあった人々の部屋につながる換気ダクトはどれか? これはレジオネラ症が最初に見つかったときの状況と似ているのではないか?
  • ThunderInMtns - 米国の引退した看護師だが、こういう謎の症状は米国の三交代勤務制の工場でもよく起きる集団ヒステリーだ。人々が多彩な症状を訴えて、診察所にやってくる。そのうちそれは工場の環境汚染のせいだということになり、工場は一時閉鎖され、訴訟問題になる。だが結局のところ原因は見つからない。塗料の匂いなどが引き金となることもある。
  • John Figliozzi - これは疑わしい話だね。こうした症状は、高温多湿地域で古い建物をきちんと手入れしないで使ってるときに、黒カビが発生しておきる症状と似てるよ。なんで観光客には同じ症状は全くでてないんだ? トランプはキューバが嫌いだからな。
というわけで、とても面白かった。

元の記事自体は日本でもよくあるような政府見解の紹介記事なんだけど、コメント欄でこれだけ多彩な意見がでてくるというのは米国ならではだなと思う。こういう点に関しては米国がとてもうらやましいね。

僕も正直このコメント欄を読むまでは、「攻撃って一体誰が何のためにやってるの? 意味分からないよ」程度の意見だったけど、これを読んで、あー、そもそも攻撃自体がガセだったんだなと納得。

とくにFBI捜査員じゃなくて疫学者を連れて行けという発言には本当に感心かつ納得した。