2015年12月29日火曜日

韓国とタイの空港鉄道が全く同じ大失敗。どこの国も政府はアホだ。

本ブログはなるべく良質の記事だけをお届けしようとした結果、あまりに記事が減りすぎてしまったので、ちょっと気軽に書ける雑な記事を増やしていこうかと思います。

さてソウルの仁川国際空港と、バンコクのスワンナプーム国際空港は、どちらも古くなった旧空港から新しい場所に移転した空港です。いわば成田空港のようなものでしょうか。仁川空港は成田空港と同じく、かなり離れた場所にあります。

仁川国際空港にもスワンナプーム国際空港にも、わりと最近になって待望の空港連絡鉄道が完成して運用されています。どちらもタクシーやバスに頼らないで済むので、旅行者にとっては安心して利用出来る乗り物です。

しかしどちらも致命的な運用上の欠点のせいで、空港への到達時間を短縮することには完全に失敗しています。それどころか仁川空港への空港鉄道は深刻な経営危機に見舞われています。


この二つの空港鉄道には、どちらも急行と鈍行があり、鈍行は頻繁だけど、かなりゆっくり走ります。急行はたまにしか来ないけど、わりと高速に走ります。

困った問題は、鈍行と急行で料金が違い、さらに改札口やプラットホームまで違っているため、ホームにいって急行が来たらそれに乗るということができないのです。そのせいで、たまにしか来ない急行を当てにして急行ホームに行く人は誰もおらず、急行はガラガラどころか乗客がほぼゼロの状態です。

ついにはバンコクのエアポートレールリンクでは急行の運行を取りやめてしまいました。

どちらも京成スカイライナーなみの160km/hの設計速度を持っており、本来は空港への到達時間を大幅に短縮するはずなのに、なぜこのような事態になってしまったのでしょうか?

推測出来る理由としては、韓国もタイも、日本のような郊外鉄道網を一切持っておらず、地下鉄のような都市内鉄道と国鉄の二系統しかないために、郊外高速鉄道の運営経験が全くないということがあります。

そのためアホなコンサルタントか誰かに騙されて、急行と鈍行の料金を変えようという、馬鹿な価格差別化を設定してしまったのでしょう。しかし一体誰が、10分~20分程度の時間短縮のために、たまにしか来ない急行列車を待って、わざわざ高い運賃を払うというのでしょうか? あまりにもアホすぎます。鈍行に乗った方が普通は早く着くんですから。

その結果、仁川空港鉄道の急行は一日2000人しか乗らないのに、ガラガラの列車を意味もなく運行しつづけているというアホ状態です。せめて失敗を明らかに認めただけバンコクの方がずっとマシです。


この話はアホ過ぎてビジネスの教訓にはならないかもしれませんが、政府や公共部門が本当に愚かな振る舞いをするのは日本に限らず、どの国も一緒ということです。

政府公共部門や大企業などの大組織において、どのようにガバナンスを効かせて、まともな意思決定や組織運営が行われるようにするかというのは、21世紀における最も重要な問題ではないかなと思います。全てのニーズが自由市場だけで解決するわけではありませんから。

また、世界における貧困問題や紛争などの問題は、99%は政府部門がアホすぎるせいで発生しています。べつに空港鉄道が多少アホでも人が死ぬわけではないので、まあ、大した問題ではないのです。しかしこの地球上の多くの領域では、政府がアホすぎるせいで、多くの子供達が飢えや病気や戦争で死んで行っています。

政治と経済という領域が21世紀の最も重要な課題であると私は信じます。ですが、残念ながら政治学も経済学も完全に停滞しており、それを解決する方法はまだ全く見つかっていません。

あれ、なんかタイと韓国の空港鉄道を気軽に馬鹿にするだけの記事のはずが、なんか偉そうになってしまったので、ここで筆を置きます。まあ、世の中、どこの国にも、理不尽なことや愚かなことは沢山ありますねと。


余談: ちなみに成田空港のようにそもそも空港自体がとてつもない大失敗である件に比べればずっとマシな話です。成田空港は悲惨すぎて馬鹿にする気にもならないですね。考えると気分が暗くなってしまうので。逆に空港と空港鉄道が模範とすべきなのは香港国際空港ですね。あれは素晴らしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿