2013年3月24日日曜日

マーケティングは創業者の仕事である

経営の世界には「商品三分に売り七分」という言葉があります。製品開発よりも販売手法のほうがずっと重要だということです。

物があれば売れるという時代ではありませんので、ほぼすべてのビジネスにはマーケティングが非常に重要になります。(本稿ではマーケティングは顧客に商品を伝えるための方法すべてをさします。営業、広告、PR、SEO、ウェブサイト構築など)

企業はとにかくマーケティングを最優先に考えるべきです。

じゃあマーケティングを外注したり、担当者を雇えばいいのかというと、そうではなく、基本的には創業者がマーケティングに注力することが必要です。

当たり前ですが、どんなベンチャー企業でも、創業者よりも高いモチベーションと能力を持った人は雇うことができません。

そして中小企業の新規事業のマーケティングができる人など日本には数えるほどもいないでしょう。マーケティングの個別のスキル(PR、調査分析、従来媒体広告、ディスプレイ広告、キーワード広告)などに優れた人はいても、すべての領域にわたってすごいスピードで施策の実験を実施していける人というのは、あまりいないのではないでしょうか。

仮にそのような人が見つかったとしても、全社の経営戦略とマーケティングの整合性を確保するためには、創業者のマーケティングへの理解が不可欠となります。

商品のポジショニング、プライシング、セグメンテーション、ターゲティングや顧客開発プロセスなどは、単にマーケティング担当者のレベルでできることではなく、経営者レベルでの意思決定が欠かせません。

経営者・創業者がマーケティングを理解せずして会社を経営するというのは極めて無謀な行為であると考えます。

逆に、いかにマーケティングが大切であっても、中小企業にとって専任のマーケティング担当者を置くのはコストの面から正当化することは難しいかと思われます。少ない商品数と少ないマーケティング予算では、担当者はほとんどする仕事がなく、お手上げ状態になってしまうのではないでしょうか。顧客開発に成功し、資金調達して、大きなマーケティング予算を執行する段階になってから雇えばすむことです。

マーケティングとは企業の基本職務の一つであり、経営者は必ず基礎知識を理解しておく必要があります。ですから、創業時には、マーケティングは創業者が担当しましょう。

零細企業のやれるマーケティングなど、そんなに専門知識は必要ありませんから、ただただ超速でいろいろな打ち手を試すことが大事です。

もし自社製品を売っていくつもりなら、マーケティングに力を入れて、P&Gのようなマーケティングエクセレンスを目指しましょう。受託開発なら、まあ、マーケティングのことは忘れてもいいんじゃないですかね・・・

マーケティングなんて何一つ分からないという人はまず下の本をどうぞ。読みやすい本で、マーケティングの一分野である「ポジショニング」について概略が学べます。これを読むとマーケティングについて少し興味がわいてくるのではないかと思います。

(間違ってもコトラーを買わないように! あれは死ぬほど退屈で、まともに読めた代物ではありません)

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