2013年2月21日木曜日

独立・起業するときに絶対に必要なことは退路を確保すること

先日、数年間行方不明だった知人から連絡があり、どうしたのかと思ったら、なんと刑務所に収監されていたとのことで驚きました。

彼の経営している会社が資金繰りで困っていることは知っていましたが、その関係でトラブルになり、刑事責任を追及されたようです。

借金などの経済難によって行方不明になっているのかなあ、と思っていましたが、まさか刑務所に入っているとは思いもよらず、大変驚きました。まあ、生きているだけでも幸運なのかもしれませんが・・・

経営者にとって、経営責任を追及されるということは、首になるだけでは済まず、ときとして民事や刑事上の個人責任を追求される可能性があります。

経営をするということの責任はきわめて重く、単なる一会社員とは別の次元と考えたほうが良いでしょう。

もし独立・起業するときには、最悪のケースを破産・失踪・自殺・収監などと考えて、そのような事態にならないように対策を打っておくことが必要です。

失敗することを想定して経営するのか? そんなことでいいのか? と思われるかもしれませんが、経営者にとって失敗は当たり前であり、そのときの引き際の美しさによって、自分や周囲への被害程度というのは、かなり変わってくるでしょう。

周囲に迷惑をかけないためにも、引き際を常に考えた経営をしておく必要があります。失踪などすると周囲の人に著しい悪印象を与えますので、再起がかなり難しくなってしまうのではないでしょうか・・・

フリーランサーであっても、納期が守れない、ぜんぜん開発が成功しない、顧客とうまくいかない、などということは日常茶飯事ですので、そのあたりずぶとい根性で世渡りしていく必要があります。やはり失踪してしまうと印象最悪なので、腰は低くしつつも開き直るくらいの根性が必要です。

事態が悪くなってきたときに、どのように事態を収拾するかということで、その後のことが大きく変わってきます。ナニワ金融道などが参考になるかと思いますが、危機に陥って、焦ってジタバタしてしまったり、失踪してしまったりすると、確実に事態は悪化するんですよね。

最悪の場合「ごめんなさい、本当にお金がないので払えないのです」と言って、潔く撤退して、最低限の法的義務を果たす方向にシフトするのが良いのではないでしょうか。そこで他人のお金に手をつけてしまったりすると、本当に刑務所送りになってしまいますので・・・

事業のほとんどは失敗に終わりますので、失敗に終わることを考えて経営することで、被害や迷惑を最小限に抑えるだけでなく、より真剣味がある、よりよい経営ができるでしょう。もし撤退する案が恐ろしく思えるのであれば、身の丈にあわない事業をしているということです。

このあたり、やはり相談できる先輩経営者がいるのといないのとで大きく変わってくるかと思います。

独立・起業するのなら、弱みを認める、潔く撤退する、失敗を受容する、他人に迷惑をかけることを受容する、といった日本人が苦手とする考え方も持つ必要があります。もちろん他人に迷惑をかけてばかりなら成功の見込みはないでしょうけど、格好付けて見栄を張って一人で無理な勝負を続けたあげく失踪するよりも、さっさと降参する方がみんなのためになることもあるのです。

逆に言えば、失敗しても平気なレベルにとどめておくならば、チャレンジしても何も怖くないのです。失敗を受容することこそが、成功への第一歩かな、とおもいます。

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