2013年2月11日月曜日

セルフオフショアリングとビザ問題


最近フィリピンを訪問しましたが、その理由の一つに将来の「セルフオフショアリング」に備えての意味がありました。

私はいまでこそなんとか日本で生活できるだけの所得を得ていますが、それを継続できるかどうかわからないと思っています。私は朝起きられないので企業で働くこともできませんし、在宅勤務やフリーランスであっても、あまり日本企業の下請け仕事をしたくないというのが正直な気持ちです。

もし将来的に事業がうまく行かなくなったら、物価の安い海外に引っ越して、なんとかそこで節約生活をして生きていくということを一つの選択肢として考えています。欧米人には、そういう人が大勢います。

たとえば、あるバンコクにいる英国人は、AT&Tのシニアエンジニアとしてリモートで働きながら、バンコクで暮らしています。ま、彼の場合は、十分な給料をもらっていると思うのですが、それでもライフスタイルとしてバンコクを選んでいるのでしょう。

ノマド族(笑)の究極のあり方としては、やはり物価の安い海外で暮らすということに尽きるのではないかと私も思います。そうすれば、もし下請け仕事をするにしても、最低限の量の仕事をやれば済みますからね。自分自身を海外にオフショアしてしまうことが、リモートワーカーにとって最も効率的な生き方です。

ちまたの海外ノマド論は、理念先行型で正直言って実践の役に立つレベルとは到底言いがたいと思います。いわゆる「外こもり」論者の言説のほうがずっと実践的かと思います。やはり海外で暮らすためにはビザの問題をクリアせねばならず、そこは理念や正論だけでは何ともならない世界です。

ビザの状況はつねに流動的に変化しており、なかなか正しい情報をつかむのは困難です。専門家に相談するのが一番なのでしょうが、詐欺師なども多く、専門家を探すことからして苦労します。とくにタイには長期滞在したい外国人が多く、ビザの発給をどんどん厳しくしているとの噂です。

もし正規に自営業者がビザを取得しようとすれば、数百万円以上の投資を行って、タイ人を複数雇用するなどせねばなりません。貧乏だからタイに行く人にそれだけの投資をするのは、なかなか難しいですね。手続きも煩雑でコストもかかりますし、ビザが却下されたり、タイ側パートナーに裏切られたりするリスクも伴います。


実際には、タイにいる外国人にも、プータローみたいな人は結構おり、そういう人はいろいろな手法で対応しているようです。

一つにはビザランという方法があります。ビザランとは数ヶ月ごとに海外に出国して、観光ビザを取り直す方法です。最近はタイはビザランに厳しくなったと言われていますが、まだまだやっている人は多くいます。

語学学校などに籍を置いて教育ビザをとる方法もあるようです。通常は出席を厳しく問われることもないようなので、お金だけ払えばあとは自由という寸法です。

蛇の道は蛇といいますが、やはり現地に住んで、現地の情報をつかまないと、なかなかビザの現状はわからないのが正直なところかと思います。結構ハードル高いです。いずれにせよ、十分な資金力がないと、いつかは追い出されちゃうのかなあ、という感じですね。

いまのところコネとか賄賂とか裏工作とかで何とかする方法はまだまだあるのだろうとは思いますが、タイはどんどん先進国化していますので、物価も上がってきていますし、賄賂なども通じにくくなっているようです。

そこでラオスやフィリピンやミャンマーなどの周辺諸国も見に行っていますが、バンコクと比べると圧倒的に生活の質が低いのが残念なところです。ま、ラオスやフィリピンは住もうと思えば住めると思いますが、ミャンマーはちょっと生活の質が劣悪すぎて住むのは無理ですね。

今度の夏にはバリ島をちょっと覗いてみたいと思っています。バリ島は日本の夏が乾期のようなので、日本の冬期を乾期のバンコクで過ごして、日本の夏期をバリ島で過ごすという手もあるな、と。いまのところ、一年に半年ずつ暮らすなら観光ビザでも問題にならない気がします。(しらないけど)

日本にいて日本企業の劣悪な労働環境で働くのもサバイバルなら、海外で正規のビザもなく生活するのもサバイバル。あんまり明るい未来像が描けません。なんとしても事業を成功させなければ・・・

ちなみに高齢者には引退ビザというものがあったりするので、若い人よりビザはとりやすいです。しかし我々が高齢者になるころに、物価が安くて過ごしやすい国がどっかあるのでしょうか?

引退ビザというのがあるのなら、「リモートワーカービザ」というノマド向けビザもあればいいのになあ、と思いますね。

参考:

  1. 誰も教えてくれない、タイ・ビザのイロハ|Thai visa


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