弊社がバイブルとしている書物の一つに「アントレプレナーの教科書」という本があります。この本では、連続起業家であるスティーブ・ブランクが新規事業立ち上げの方法論を明確なプロセスとして表現しています。
顧客開発モデルでは、顧客を見つけるために仮説設定と検証を繰り返していくプロセスを明示しています。顧客の困っていること=ニーズは何か、という仮説を立て、それを早い段階からインタビューして検証します。プロトタイプを作成する前にも、質問などによってニーズがあるかどうかを検証していくことを推奨しています。
顧客のところにでかけていっても、すぐに自分の製品について説明したり、「どんな機能が欲しいか」聞いたりするのではなく、まずは顧客がどのように仕事を進めているか、どのような課題を抱えているか、その課題を自社の製品がどう解決できるか、そういうことを調べていきます。
世の中には起業本が山ほどあふれていますが、これほど「実用的」かつ「実践的」な起業本は少ないでしょう。
製品立ち上げのプロセスを4つの大きなステップ、「顧客発見」「顧客実証」「顧客開拓」「組織構築」に分けて、それぞれを数十の小さなステップに細分して説明しています。それによって細かい実践の方法がカバーされています。
起業本の革命児とも言える書籍であり、アメリカでは本書を元にして「リーン・スタートアップ」などの新しい理論や書籍が次々に誕生しました。
この本は素晴らしい本なのですが、ちょっとした弱点があります。
分かりやすく読みやすい本ではあるのですが、分厚く細かく書かれているので、再読したり、事業の最中にちょっと参考にするには重い感じがするということです。
もう一つには、ステップが細かく書かれているのは良いのですが、具体的に書かれすぎていて、実際の事業に当てはめるときにかえってわかりにくいという点です。
そこをカバーするフォロー本として「顧客開発モデルのトリセツ」という電子書籍が出版されました。この本は、アントレプレナーの教科書を読んだ二人の読者が、その本をフォローする解説本として自費出版した本です。
100ページほどの簡潔な電子書籍となっており、いつでもどこでも何度でも読み返しながら顧客開発モデルについての理解を深めることができるようになっています。
私も「アントレプレナーの教科書」を毎回読み返すのは荷が重いと思ってましたので、この電子書籍が出版されたことは福音だと思っています。
顧客開発プロセスを別の角度から見直すことで、顧客開発モデルについてより詳しく、深く理解することができますからね!
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