2024年12月13日金曜日

近況とブログ再度移転のお知らせ

最近は 学校の達人 という新規事業に注力しています。

既存事業の月額パンダは離陸をはじめまして、どんどん成長しています。

ブログはいろいろあって note に移転しました。

あと自己紹介ページも作りました。

2023年7月7日金曜日

サイゼリヤ論争 (サイゼリヤで初デートはありかなしか論争)に日本を憂う

ツイッターでは「サイゼリヤで初デートはありかなしか論争」というのが毎月のように盛り上がっています。それを見るたびに日本を憂いてしまいます。

サイゼリヤで初デートは絶対無しです。それは当たり前のことです。

もちろん田舎に住んでいて、一番お洒落な飲食店がサイゼリヤである場合は別ですが、東京23区や大阪市や福岡市において、サイゼリヤでデートするということはありえません。非常識です。

クジャクを見れば分かる通り、オスにとってメスを口説くというのは命懸けの大仕事です。なぜならメスは妊娠出産(or産卵)という重大なことをするわけなので、オスを選ぶことに子孫の繁栄を賭けているからです。

逆にオスは、メスに子供を産ませてしまえば、逃げることもできますし、実際に大勢のメスに子供を産ませて逃げるという戦略を取るオスもいるわけです。それくらい重大さが違うわけです。

立派な羽根の無いクジャクはメスを口説くことはできず、童貞のまま死んでいくでしょう。

同様にサイゼリヤで初デートするオスも童貞のまま死んでいきます

なぜサイゼリヤで初デートがダメなのか。それは我々オッサン世代にとってみれば当たり前のことですが、論争になるくらいなので一つ一つ説明していきましょう。

初デートというのは、クジャクが羽根を広げるタイミングと同じです。そこで男は最高のデートを演出することで女を口説きます。そこに最高のパフォーマンスを持ってくるのです。

逆に言うと、「初デートでサイゼリヤだったらアウトの女」であっても、何回かセックスしたあとであれば、ときどきサイゼリヤに行っても文句を言うことは通常はないでしょう。(あったらヤバい女です)

羽根を広げた最高の瞬間がサイゼリヤではダメです。

なぜサイゼリヤがダメなのか、それは安いからではありません。男が、非常識で、非モテで、童貞で、人間関係に恵まれておらず、まともな思考能力や調査能力もないことをはっきりと示しているからです。

その男に、まともに恋人がいたことがあれば、初デートでサイゼリヤはないでしょう。相談できる友人や先輩がいてもしかりです。残念なことにどちらもなくても、普通に考えればデートに向いた店を探すくらいの思考能力や調査能力はあるでしょう。

そのいずれも備えていないということは、彼氏候補として論外なだけでなく、そもそも人間性が疑われる水準です。

私はオッサンですが、初デートでサイゼリヤを選ぶような非常識な人とは男同士であっても友人関係を作れるとは思いません。そもそも男同士でも、まずサイゼリヤで飲むことないですし。

情報力があれば一人5000円前後で食べて飲んでという小粋な居酒屋くらい見つけられるでしょうし、情報力がなくても一人8000~9000円くらい出せば、いくらでもデートに向いた店はあるでしょう。どうしてもお金がなければ、珈琲とお菓子で満足させられるようなお洒落カフェでも頑張って探しましょう。

社会的によほど孤立した人間でなければ、そのようなお店の一つや二つくらいは知っていてor探せて当然です。社会的に孤立した人間と付き合いたい女性は珍しいでしょう。

このようなことは社会常識であり、本来であれば、友人知人先輩同僚などから全員が教えてもらったり、体験していて当然のことです。

それが分かっておらず、童貞をこじらせて、世の中をすねた目線で見る男が増えているのは、本当にあかんなぁ、とオッサン溜息をついてしまいます。頑張れ若者。


2022年11月28日月曜日

note始めました

 「ひよこ政経新聞」という名前で、政治と経済について語るブログをnoteで始めました。

個人的なことは相変わらずこちらのブログやQuoraに書くかもしれませんが、noteでは政治経済の話題を書いていこうかなと思ってます。

https://note.com/piyoist/

2022年3月7日月曜日

ロシア軍の対空ミサイル一覧

ロシアのウクライナ侵攻でいろんなロシア軍の対空ミサイル車両が撃破されてるが、なにがなんだかわからないので一覧にまとめてみた。データの出典はWikipediaだよ。

9K35 Strela-10: ソ連時代の短距離対空ミサイル車両。光学/赤外線誘導。射程距離5km, 射高11,500ft

Tor-M1: 短距離対空ミサイル車両。射程距離12km, 射高20,000ft (1両での単独運用も可能だが、複数車両をリンクすることも可能)

9K33 Osa: ソ連時代の短距離対空ミサイル車両。射程距離15km, 射高39,000ft

Pantsir-S1: 2種のミサイルと高射機関砲とレーダーと電子光学センサーを一つの車両に積む中距離防空システム。射程距離18km, 射高49,000ft

Buk-M1-2: 複数車両で構成された中距離防空システム。射程距離50km, 射高82,000ft

(以下は撃破されてないけど、名前聞いたことあるので。たぶんウクライナにも来てるはず?)

S-300: ソ連時代の長距離防空システム。複数車両で構成され、最大射程360km

S-400: 最新式の長距離防空システム。複数車両で構成され、最大射程400km

ちなみに日本も持ってる米国のパトリオット防空システムは射程160kmくらいなので、ロシアのミサイルは公称で倍以上の射程を持っている。

2022年2月6日日曜日

5分で分かる初めての起業

 5分で分かる初めての起業 (CC BY 4.0) 2022 Shunichi Arai

なぜやるか

なぜ起業するのか。自由時間を増やすため。成功するため。金を稼ぐため。嫌な思いを減らすため。仕事を楽しむため。他にできる仕事がないため。どれが大事?

なにをやるか

起業の中で最も難易度が高いのは飲食・小売。在庫があり、家賃も高く、人件費もかかり、それでいて競合が多く利益率が低い。厳しい。とくに飲食はオペレーションも難易度が高くて大変。飲食で成功する人は心から尊敬。ただし一人だけでやるバーやスナックは難易度やや低い。

情報だけを動かす商売はいちばんリスクが低くて難易度が低い。不動産屋・人材業のような仲介業・営業代理店とか、講演業・コンサル業・インフルエンサー・アフィリエイターとか。通販業も店舗の小売業に比べれば圧倒的に楽。

士業のように規制で守られた業種はとくにやりやすい。

いつやるか

若いうちの強みは、時間、成長しやすさ、再起しやすさ、失敗が許されやすさ、体力などがある。経営者を長年やってれば成長する。

年を取ってから起業するなら、培った人脈、知識、技術、名声、信頼などを活用できる。とびきり優秀な人ならある程度、蓄積してからの起業が有利か。

誰とやるか

経営者が一人では起業はなかなか大変。なにより孤独感があり、意欲を維持することが難しい。自分一人で頑張って全てをこなし、意欲を維持していけるなら一人でもいいけど。

二人以上だと喧嘩別れもあるし、裏切りもある。というか喧嘩別れするほうが多いかも。タイプの違う人間同士が組みやすい。空気読める人(オールラウンダーや営業)と読めない人(職人)とか。

税理士は最初から雇うことが必須。メールなどで気楽に相談できる若手の税理士がよい。

人を雇っても帳簿や銀行口座は自分で管理する。さもないと横領される。人に任せるのは不正防止策ができてから。

どうやるか

最初に知っておくべき内容だけ書く。大事なことと、後戻りできないことと。

経営で一番大切なのはマーケティング

マーケティングが上手にできれば、それだけで会社が作って儲けられる。が、どんな業種でもマーケティングがダメなら全く儲からない。マーケティングとか営業とかできれば、それだけで不動産屋でも人材屋でもやって儲けられる。

STP, 4P, 4Cが基本。それで「なにをどこでだれにいくらでどうやるか」の戦略を決める。それが間違ってるとどうにもならない。

べたな飛び込み営業から、SNSマーケティングまで、武器はたくさんある。一通りの使い方と使いどころを把握すること。

失敗を計画する

起業には失敗がつきものである。売れない。儲からない。客が来ない。顧客に迷惑をかける。納期に遅れる。欠陥を出す。納品できない。品質が悪い。従業員に迷惑をかける。給料が払えない。喧嘩別れする。裏切られる。そんなのは日常茶飯事である。倒産すればこの全てが一気に起きる。そしてほとんどの起業は失敗に終わる。

だから失敗を計画の中にいれよう。失敗したらどうするかを考えておく。撤退する時期と方法も決めておく。倒産したら弁護士を雇って後始末してもらうこと。自分と家族の心身の健康を第一に考える。面の皮を厚くすること。

投資を受ける<=>投資を受けない (強者の戦略<=>弱者の戦略)

投資とは会社の持ち分(株式)を譲るかわりにお金をもらうこと。一般的にベンチャーキャピタルにお金を入れてもらう。その金を使って一気に成長を狙う。そういう会社をスタートアップと呼ぶ。

他人に持ち分を渡したら、持ち分を強制的に取り戻す手段はほぼない。なので安易に良くわからん人に投資されると詰む。反社だったら人生終わりかねない。

共同経営者に持ち分を渡す場合は、辞めたときに持ち分をいくらで売ってもらうなどの契約書を作っておこう。(要弁護士チェック)

投資を受けるなら、ゆっくりのんびり働く選択肢はなくなる。辞めるまでつねに馬車馬のごとく死ぬ気で働く必要がある。

投資を受けないなら弱者の戦略(栢野克己)しかない。泥臭い接近戦になりがち。大手企業や有力スタートアップがやりたがらないことをやるしかない。

気楽に経営する

以下のような条件が揃えば、自由で気軽な経営ができる。これでも自分が頑張れば儲けることは可能。

  • 従業員を雇わない (フリーランスや士業の活用は可)
  • 不動産を借りない
  • 融資や投資を受けない
  • ITで自動化する

融資を受ける

融資とはお金を貸してもらうこと。

融資を受けるなら最初は政策金融公庫(こっきん)しかない。そこから保証協会融資→信用組合・信用金庫→地方銀行→都市銀行とだんだんレベルアップしていく。だいたい社長個人が保証人になることを要求されるので、会社がつぶれると社長も破産する。

法律を学ぶ

経営者が法律を知らないと刑務所行きになりかねないので、法律を学ぶことは必須。大学生向けの入門書でも何冊か読めば十分。あとはニュースなどを通じて法律を広く知り、すぐ条文に当たる癖をつける。顧問弁護士は早めに付けたい。メールでさくさく聞ける人がベター。

参考書籍

僕は最近、経営書よまないので全般的に古い本が多い。これらの本に加えて、ネット広告、SEO、アフィリエイト、SNS活用などの知識は抑えておく必要があると思われる。

経営書というのはある意味で空理空論でエビデンスがないので、あまり経営書ばかり読んでも意味ないと思うが、ミクロ経済学は詳細に学んで損はない。ミクロ経済学は(実験に基づいたエビデンスはないが)数学と同じような理論的裏付けがあるので学ぶ価値がある。

法律書はとくにお勧めないけど読んでね。刑法の入門書が一番読みやすい気がする。刑法はシンプルなので。

(おすすめ順)

  • 新版 市場を創る:バザールからネット取引まで - ジョン・マクミラン
  • 情報経済の鉄則 ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイド – カール・シャピロ (著), ハル・ヴァリアン (著) - (旧版である「ネットワーク経済の法則」のほうが版型が読みやすいかも)
  • コンサルタントの秘密 - ジェラルド・ワインバーグ
  • 起業のファイナンス増補改訂版 - 磯崎 哲也 (投資を受けないなら読まなくても良い)
  • 【新版】小さな会社★儲けのルール - 栢野 克己, 竹田 陽一
  • 成功者の告白 - 神田 昌典
  • 「週4時間」だけ働く。- ティモシー・フェリス
  • ポジショニング戦略[新版] 単行本 - アル・ライズ, ジャック・トラウト

2021年12月15日水曜日

Rubyistから起業家になった話 (Rubyist近況[1] Advent Calendar 2021)

Rubyist近況[1] Advent Calendar 2021への投稿です。

最近のRubyistの皆さんには「お前、誰だよ」って感じかと思いますが、新井と申します。大昔にRubyist 九州という福岡のRubyコミュニティを運営していました。

10年くらい前からコミュニティ活動を削減して、ひたすら自社の仕事をやっていたので、最近の方とは、ほとんど面識がないのですが、完全に忘れられてしまうのも寂しいので、近況カレンダーに書いてみることにしました。

なぜコミュニティ活動を削減したのかというと、とにかく自社の事業を成功させ、金を稼ぎたかったからです。

今日はその起業してお金を稼ぐという話をしようかなと思います。

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私は、若い頃から独立したい起業したいと思っていました。そこで20代前半で会社を作ったけど、事業とか起業とかよくわかんないので、受託開発をやってみたわけです。

それが大失敗に大失敗を重ねて、あまりにも受託開発に向いてないことを自覚し、また受託開発という業態は、非常に苦労が多い業種だと気付き、やめることにしました。

そこで、ソフトウェア製品を作って起業するという道を選んだのです。

いわゆるチャリンチャリンの事業を狙ってました。いまでもそれは変わりません。やはり継続収入があることで、事業運営は圧倒的に楽になりますし、業務も生活も楽で安定します。

これまで三本の製品を作って運用していますが、すべてRubyで開発しました。少人数・短期間で製品を開発できて安定運用できているのは、やはりRubyの効率性や快適性のおかげと思います。

Ruby勉強会の仲間達がプログラマとして入社してくれたおかげで、いまは私の仕事はビジネスモデルを考えたり、マーケティングやSEOをしたりすることの比重が高まっており、コードを書くことはだいぶ減りました。

製品を作っても、売るのはなかなか難しいものです。

ソフトウェアビジネスというのは、勝者総取りの傾向が強いので、ベンチャーキャピタルからの投資を受けないでやるのはなかなか難しくなってきたように思います。とくにクラウドサービスは非常に競争が激しいので、投資なしでやるのは困難です。

ビジネスモデルを一工夫しないと生き残れない時代になっており、これから新たに起業する人は大変だなぁ、と思います。

もちろん投資を受けて全力疾走してもいいわけですが、それで勝ち残れる体力のある人はご自由にどうぞという感じです。私にはそのような根性はありません。

2021年、日本全体がソフトウェアやコードに注目していますが、私としては逆にコードからは一歩引いて、ソフトウェアに限らず幅広く色々なビジネスを模索しています。コードを書くということを前提にすると意外と難しいなと感じる昨今です。

そんなやつがRubyist近況カレンダーに投稿していいのかとも思いますが、ご容赦くださいませm(_ _)m

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最後に近況ですが、4年くらい前から、大阪に住んでいます。

私は、小さな会社のCTOをしていますが、会社の社長が大阪に住んでいるので、打ち合わせの利便性などのため大阪に引っ越してきました。また福岡に飽きてきたという理由もあります。

この数年ちょっと体調を崩したりいろいろありましたが、これまで作り上げてきたビジネスがあるおかげで、収入は安定しているので、ほんとに受託やめて事業に邁進してきてよかったなぁ、と思っています。受託やってたら死んでました。

時間に余裕ができたので、コロナが終われば、またコミュニティ活動なども再開したいなあと思っています。もし顔を合わせることがありましたら、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

(余談: いちどQuoraにブログ移転したけど、Quoraのブログはスペースに移行して、ついになんか題名すらつけられなくなったので、こちらに戻ってこようかと考えています)


2018年11月13日火曜日

ブログ移転しました

ブログ移転しました

https://jp.quora.com/blog/arai

今後こちらをみてください。

ここに戻ってくることもあるかもしれませんし、過去の記事もあるので、ここはここで残しておきますが…。

2017年12月7日木曜日

Esquire miniとBeoplay P2とBose Soundlink miniを自腹で比較したよ

僕はイヤホンで音楽を楽しむのがあまり好きじゃないので、海外旅行するときにはスピーカーを持ち歩いてます。最近はそういうニーズが結構あるらしくて、小型軽量のBluetoothスピーカーがいくつか登場しているので、買ってみましたので音質をレビューします。



Harman Kardon Esquire miniは、小型スピーカーの中でも最も美しいものでしょう。金属っぽさのある表面と革張りの裏面となっており、かなり格好いいです。とても薄くて軽くて持ち運びにも便利そうです。

肝心の音質なのですが、いかにも小型で安物のスピーカーという安っぽい音がします。低音は全く出ないですし、高音は致命的にシャカシャカします。中域はまあ良い感じで伸びてますが、やはり音が軽いですよね。

正直、このスピーカーで本気で音楽を聴こうとは思わないですし、この音質だと、わざわざ旅行へ持って行くのも面倒かなという程度です。そりゃもちろんノートパソコンのスピーカーよりはずっといいですけど。音にこだわりのある人には全くお勧めしません。

はっきり言って買って損しました。




B&O Beoplay P2もEsquire miniとほぼ同じくらいの小型スピーカーです。若干重く、若干分厚いですが、そんなには変わりません。

Beoplay P2は140×80×28mm 275gなのに対して、Esquire miniは140×76×24mm 238gとなります。容積で22%大きく、質量で16%重いという程度です。

デザインは悪くはないのですが、側面と裏面は安っぽいプラスチックなので、Esquire miniに比べると質感で圧倒的に劣ります。こちらの方が値段は2倍なのですが、高級感は半分以下です。

肝心の音質ですが、低音がとても豊かです。小さいサイズからは信じられないような豊かで安定した低音がでます。中域もしっかりしていて美しいです。高域は近くで聞くと非常にシャリシャリして安っぽく聞こえます。

対策としては、やや遠くに離して設置することで、高域のシャリシャリ感は解消されて、全体としてまとまった良い音に聞こえます。これだけの音がでれば旅行用としてはオッケーかなという感じです。持ち運びしやすいので荷物を増やしたくないときにピッタリです。

最大音量にするとものすごい音がでますので、屋外のパーティなどにもいいんじゃないかと思いますが、まだ試せていませんので、音質のほどは不明です。

充電がUSB Type-Cなのは、僕のスマホと同じなのでとても便利ですね。

旅行用としては、かなりお勧めです。家に置くには物足りないと思いますが。

(追記)

旅行に出る前は、音質を低く評価していたのですが、実際に旅先で聴いたら十分に満足できたので、評価を上げています(本文も書き換えました)。

かさばらないギリギリのサイズで、これだけの音質が出るのなら十分だと思います。Bose Soundlink Miniはかなりかさばるので通常の旅行には邪魔ですから。




Bose Soundlink Miniは180×59×51mm 680gと、上記二つのスピーカーに比べて2倍以上のサイズと重さを持つので、同列に比較するのはフェアではないかもしれません。スピーカーは大きければ大きいほど良い音がしますからね。

筐体も金属でゴツく、いかにもスピーカーという感じです。ズシッときます。旅行荷物に入れて持ち運ぶのは、そんなに苦ではありませんが、ややスペースは食いますね。

その代わり、音質は素晴らしいです。低域から高域までしっかり出ますし、音の細かい部分を繊細かつ複雑に再現してくれます。一つ一つの音に重みがあり、小型や安物のスピーカーとは明らかに一線を画します。

低域は強調されすぎてると思いますが、それは好みに応じて音楽プレーヤーのイコライザーで調整すればいいでしょう。とはいえ、ここまで低域を強調するなら、できれば本体で調整できるようにしてほしかったですね。

このスピーカーは、小型スピーカーであるにもかかわらず、普通に家に置いて、据え置き型スピーカーとして使っても不足感がないほどだと思います。

超おすすめです。



最後に番外編ですが、X-miniというスピーカーがたまたまAmazonでたった1,000円で買えたので、それも試してみました。ちなみにこのモデルはBluetoothではなく、有線接続のみです。

まあ、音質は値段相応のものですので、わざわざ買う意味も無かったかもしれませんが、とにかく小さく折りたたむことができるので、携帯性を最重視される方には面白いかと思います。スピーカーを折りたたんで収納して、使用時には展開するというアイデアは非常に面白いです。

ちなみに音質としては、非常にノイジーな音なんですけど、音量感があり、意外と伸び感もあり、独特の味があるので、ノートパソコンのスピーカーよりはだいぶマシかなっ、という感じです。まあ、千円なら全然許せます。

2017年12月4日月曜日

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ。

そもそもキューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件について、忘れてる人や知らない人がいるかもしれないので、説明してみる。

キューバとの国交回復に伴って再開された在ハバナ米国大使館では、21人の職員が、聴覚障害や認知問題、視覚障害、不眠などの症状に長らく悩ませられており、米国政府は、これを何らかの攻撃によるものだと考えているという。在米キューバ大使館の職員数名を国外退去させるなど、キューバ政府にも責任があるとしている。

この記事は、米大使館から多くの職員が退避することになったというものだが、記事内では米国政府が調査のためFBI捜査員を派遣したが、何も発見できなかったということも紹介している。

この記事自体は、ただ米政府の見解を紹介するだけのつまらない記事なんだが、コメント欄で非常に多様な議論が繰り広げられていたので以下に抜粋かつ要約で紹介したいと思う。

単純な意見から、とても知的な意見まで幅広くて、非常に面白かった。ちなみに要約はものすごく手抜きで時間をかけずに適当におこなっているのでものすごく文章が変わっていることを諒解願う。


  • Robert - 何がこの攻撃の動機なのか? キューバ政府にはそのような動機も技術もない。この攻撃から米国もキューバも利益を得ることがない。では誰が最大の利益を得るか? それはプーチンのロシアだ。
  • WmC - 訴えている症状は曖昧かつ多彩で、攻撃によるものと決めつけるのは早すぎる。FBI捜査員に入国して捜査することを認めるキューバ政府の対応もそうだ。これを攻撃と決めつけて大使館員を退避させるのはトランプの政治的理由によるこじつけだろう。
  • Victor Mark - 私は行動神経学の研究者だが、このような多彩な訴えを示す集団が、検査でも全く原因がわからない場合、集団ヒステリーだろうと思う。集団ヒステリーは実際に深刻な病気なのだが、外部の原因によって引き起こされるものではなく、無意識のうちに引き起こされる。神経科医による診察が必要だ。
  • Francisco Cebollero - 私はカリブ海で臨床している医師だが、こうした症状はアルボウイルス感染症だと考えられる。地域外から旅行してきた者は、免疫がないのでかかりやすい。
  • Jim Z - キューバと米国の関係改善で、一番わりを食ってるのは誰だと思う? 在キューバ北朝鮮大使館だろう。北朝鮮の奴らは海外でむちゃくちゃやることで有名だからな。
  • Kara Ben Nemsi - FBIは現地で何の手がかりも得られなかったし、職員の臨床検査結果からも何らの手がかりを得られなかったんだろう。こうした症状は攻撃によるものではない。これは環境要因によって起きたことではないか。

    国務省がするべきなのはFBI捜査員ではなく、疫学者を現地に連れて行って調査することだ。

    自分なら大使館の建物を疑う。同じ症状を呈したカナダ人大使館員が建物を訪れたのはいつか? 症状のあった者となかった者の行動の違いはなにか? 全員が食べたものはなにか? 症状のあった人々の部屋につながる換気ダクトはどれか? これはレジオネラ症が最初に見つかったときの状況と似ているのではないか?
  • ThunderInMtns - 米国の引退した看護師だが、こういう謎の症状は米国の三交代勤務制の工場でもよく起きる集団ヒステリーだ。人々が多彩な症状を訴えて、診察所にやってくる。そのうちそれは工場の環境汚染のせいだということになり、工場は一時閉鎖され、訴訟問題になる。だが結局のところ原因は見つからない。塗料の匂いなどが引き金となることもある。
  • John Figliozzi - これは疑わしい話だね。こうした症状は、高温多湿地域で古い建物をきちんと手入れしないで使ってるときに、黒カビが発生しておきる症状と似てるよ。なんで観光客には同じ症状は全くでてないんだ? トランプはキューバが嫌いだからな。
というわけで、とても面白かった。

元の記事自体は日本でもよくあるような政府見解の紹介記事なんだけど、コメント欄でこれだけ多彩な意見がでてくるというのは米国ならではだなと思う。こういう点に関しては米国がとてもうらやましいね。

僕も正直このコメント欄を読むまでは、「攻撃って一体誰が何のためにやってるの? 意味分からないよ」程度の意見だったけど、これを読んで、あー、そもそも攻撃自体がガセだったんだなと納得。

とくにFBI捜査員じゃなくて疫学者を連れて行けという発言には本当に感心かつ納得した。

2017年5月13日土曜日

睡眠リズム障害とともに生きる - 睡眠相後退症候群(DSPS)と非24時間睡眠覚醒症候群(Non-24)とは何か

(cc) Derk-Jan DijkSimon N. Archer

睡眠リズム障害(概日リズム睡眠障害)という病気はあまり知られていない病気の一つです。

睡眠リズムとは、人間の体内時計によって寝る時間が決まることです。このリズムが社会的に適切な時間からずれてしまい、希望する時間に寝たり起きたりすることができない病気、それが睡眠リズム障害です。

この病気は、社会の理解があることで患者の人生はだいぶ楽になります。ぜひこの記事によって多くの人に睡眠リズム障害について知ってもらいたいと思います。

ちなみに私もこの病気にかかっているので、私がいつも変な時間に行動していたり、先の予定が決められないことに疑問を持っている方も読んでみてください。理由が少しわかると思います。ちなみに本稿ではまず先に病気の概要を説明し、それから私の個人的なストーリーを書きます。

私がかかっている非24時間睡眠覚醒症候群という病気は、きわめてまれな病気であり、その当事者が書いてる話というのはレアだと思いますよ:)


睡眠リズムとは何か?


まず睡眠リズムという概念自体をあまりよく知らない方もいるのではないでしょうか。時差ぼけなどの存在はよく知られていますが、通常は意識することはないですよね。

人間がいつ眠くなるかには、二つの大きな要因があります。

一つ目は、どれくらい長い時間起きているか、どれくらい睡眠が不足しているか、ということです。これをHomeostatic Sleep Driveと言います。起きてから長く起きていれば睡眠の必要性が高まって眠くなるというシンプルな仕組みです。

もう一つは、自分の体内時計によってだいたい何時に眠くなり、だいたい何時に起きるのかということが制御されています。身体の中には本当に時計のような働きをする仕組みが備わっており、人間は決まった時間に活動するようになっているのです。これをCircadian Rhythm (サーカディアンリズム、概日リズム)と言います。これが睡眠リズムの正体です。

体内時計は、自分がいつ起きていつ寝るかなどによって影響される一面もありますが、基本的には惰性によって毎日同じリズムを維持しようとします。

そして人間は寝るべきときに寝るようにできており、寝るべきでないときに寝ると、うまく寝れない、そして起きるべきでないときに起きているとやたら眠い、という風に出来ています。

そのため海外旅行や交代勤務などによって、急に大きく違う時間に寝たり起きたりしようとすると、実際にいつ寝て起きるかに関係なく、それまでの睡眠時間に眠くなってしまったり、それまでの活動時間には眠れなくなったりします。

睡眠リズムの働きは、人によってかなり違いがあると思われています。時差ぼけがきつい人もいれば、シフト制で交代勤務を行ってもわりと平気という人もいます。

この働きが狂ってしまい、思うように寝られなくなるのが睡眠リズム障害です。

睡眠リズム障害とは何か?


端的に言うと、夜眠れない、朝起きられない、昼間に眠くなる、夜に眠くない、というのが睡眠リズム障害です。

時差ぼけや、交代勤務によって生じる心身の不調、これも睡眠リズム障害の一つです。それぞれ、時差症候群、交代勤務睡眠障害と呼ばれます。

時差ぼけを体験したことがある方はよくわかると思いますが、疲れていて眠いはずなのに熟睡できないとか、ちゃんと寝たはずなのに昼間に猛烈な眠気に襲われるとか、こういう症状は睡眠リズム障害の典型的なものです。

たまに海外旅行や出張で時差ぼけになるくらいなら命に別状はありませんが、世界中を飛び回る仕事や、看護師や工場勤務などで交代勤務をしてる人の場合、命に関わるような重大な病気や、精神疾患にかかったりします。そうではなくても交代勤務は寿命を大きく縮めると言われています。

本稿で紹介する睡眠相後退症候群(DSPS)非24時間睡眠覚醒症候群(Non-24)は、時差もなく、交代勤務でもなく、普通に暮らしているだけなのに、なぜか睡眠リズムがずれてしまい、常時、時差ぼけや交代勤務のような状態になってしまうという病気です。

睡眠相後退症候群は、寝る時間が極端な夜型になってしまい、朝方にならないと寝られない、そして朝にどうやっても起きられないという病気です。

これは比較的に良く見られる病気(1000人に1.3-1.7人)です。思春期には10人に1人くらいがこの病気になると考えられています。人間は思春期には夜型になる傾向が強まるためです。

人間は遺伝的に夜型と朝型が決まっていると言われており、精神医学では「朝型夜型質問紙」というチェックシートまであるくらいです。

単に夜型で、夜になると調子が良くて、朝は弱い、だけど特に困ってないという程度の人は病気とは言えないでしょうが、それが生活や仕事に重大な問題を来すようになると病気になってきます。この中間の人も大勢いるでしょう。

朝が極端に弱くなり、どんなに努力しても絶対に起きられないような状態にまでなることがあるのがこの病気の特徴です。単なる睡眠不足というレベルではなく、仕事をクビになるような状況でも起きられないほどです。

自分を不眠症と思っている人でも、遅い時間なら普通に眠れて、朝起きるのが異常に難しいという場合は、この病気にかかっている可能性があります。

非24時間睡眠覚醒症候群は、毎日体内リズムがどんどんずれて、寝る時間と起きる時間が毎日遅くなっていくという、とても珍しい病気です。(興味深いことに、毎日睡眠リズムが早くなっていくという患者はほぼいません)

ちなみにこの病気にかかっている人の多くは全盲の人であると言われています。

患者数も少なく、詳しいことはあまりよくわかっていませんが、定期的に昼夜逆転してしまい、昼に行動するときと、夜に行動するときがあるため、日常生活だけでなく、人生や仕事や家族生活などに壊滅的な打撃を受ける極めて重篤な病気です。

きちんとした情報は、専門的な医学書を含めてほとんどありませんが、日本語で書かれた記事としては日経サイエンス 2016年1月号に詳細な記事があります。この病気で悩む人は必読と思います。幸いに一つの記事だけをダウンロード購入することができます。

人によっては、この病気でなくても、仕事をやめて家で生活していると昼夜逆転してしまうことが良くありますが、この病気の場合は、それとは異なり、昼型を維持するために最大限の努力をしても昼夜逆転してしまうというどうしようもない病気です。

この二つの病気については、以下のような遺伝的な要因が絡み合っており、完全に健全な人から、かなり睡眠リズムが不安定な人、そして完全な病気の人まで、さまざまな段階があると私は考えます。

  • 睡眠リズムのズレやすさ: たまたま夜更かしをしたり、深酒をしたり、寝坊をしてしまったときに、どれくらい睡眠リズムがズレてしまうか?
  • 睡眠リズムの頑固さ: 時差ぼけになったり、用事などで普段よりも早起きしたり早寝をしたりするときに、どれくらい睡眠や起床が難しくなるか?
  • 生まれつきの朝型夜型の違い: 夜型の人ほど昼夜逆転の危険は高まるでしょう。
  • 不眠症や不眠体質: さくっと寝付ける人は、不眠症の人より、睡眠リズムの悪影響を受けにくいでしょう。
  • 睡眠時間の長短: 毎日9時間以上眠るロングスリーパーの人は、必然的に睡眠リズムがずれやすくなるのではないかと推測します。

さて、最後に私の個人的なストーリーを話します。なぜならNon-24は珍しい病気であり、ほとんど医学的な情報がないため、一人一人のストーリーを話すことが他の患者の助けになると思うからです。

とりとめのない話ですので、興味のある方だけお読みください。

毎日睡眠時間がずれている私の話


私は、非24時間睡眠覚醒症候群にかかっており、それは私の人生に壊滅的な打撃を与えています。

私は、自分が再来週に何時に起きて、行動して、何時に眠ることができるのか、予想ができません。そのため、他人と先のことを約束して、一緒に行動する予定を入れるというのはとてもリスキーなことです。約束を守るために24時間ほど徹夜したりすることも良くあります。

面白いことに、徹夜をするのは、早く起きるよりも、どちらかといえば簡単なのですよ。徹夜は頑張ればできるけど、早く起きるのは、意志の力ではどうにもならないほど難しいです。仮に起きることができたとしても、会話や仕事などの知的な作業は一切できません。布団から這い出して、飛行機に飛び乗るくらいが関の山です。

当然、学校に行ったり、会社勤めをしたりすることはできません。

これは年々ひどくなっています。24歳のときに3ヶ月韓国語を学びに学校に行ったときは、なんとか起きて授業の80%くらいに出席して修了証をもらうことができました。しかし36歳のときに3ヶ月中国語を学んだときは50%も出席することができませんでした。

睡眠リズム障害がひどくなっている理由の一つは、私が寝たい時間に寝ることと、起きたい時間に起きることを完全に諦めてしまったせいでもあります。

夜に眠れないからといって、布団の中で悶々としたり、睡眠薬を大量に飲んだりすることは、極めて苦痛に満ちた体験です。精神的にも最悪の状況に追い込まれます。

そのため私は無理に寝るのをやめて、眠れないときは普通に起きて仕事をしたり音楽を聞いたりしています。そして明らかに眠れそうにないのに睡眠薬を飲むことをやめました。


さて、ここで具体的な私の睡眠リズムの一例をお見せします。私は2004年くらいから睡眠日誌を付けているのですが、そこから2016年5月の記録をお見せします。Sと書かれた部分が寝ている時間です。


見事に毎日睡眠時間がずれているのがお分かりになるかと思います。途中で大きくジャンプしているところがありますが、それは寝る時間が朝8時とかになってしまったため、明るすぎて、寝るのを放棄して徹夜したためです。


どうしてこうなった?


なんで僕はこんなことになってしまったんでしょうか?

僕は生まれたときから不眠症だったと親に言われています。幼児のときから夜になってもなかなか寝ない子で、寝かせつけるのがとても大変だったと言われました。自分の記憶がある限りでも、小さい子供のときからずーっと不眠症でした。毎日、寝るのが苦痛で苦痛で仕方なかったです。

父親もひどい不眠症で、いつも夜眠れなくて困っています。

睡眠とはまた別の問題もあり、学校や権力が大嫌いであり、また若い頃は精神的に不安定だったこともあり、中学校のときに学校に行かなくなりました。それから大学などに行こうかと思ったこともありましたが、その頃には睡眠障害が本当にひどくなっており通える状態ではありませんでした。そのためいまでも学歴は中卒です。

もともと不眠症は、学校に通っているときから、かなりひどかったので、いつかは睡眠が維持できなくなったと思いますが、学校に行かなくなり自堕落な生活を始めたこともあり、すぐに睡眠は取り返しがつかないほど悪くなってしまいました。それから気づいたときには昼夜逆転が常態化していました。その頃は、まだNon-24と言い切れるほど、ひどくはなかったと思います。寝れなくて悶え苦しんではいましたが…。

さらに最近、検査してわかったのは、私は睡眠時無呼吸症も持っているということです。たぶんそれが10代後半で悪化して、どうやっても絶対に朝起きられない状態の悪化を招いたと思われます。いまはそれを治療して、だいぶ起きやすくなりました。

年々、夜に寝て、朝起きることを諦めていき、それにともなって精神状態は良くなったんですが、2014年くらいから夜に寝ることを完全に放棄してしまったため、綺麗にNon-24のグラフを描くようになってしまいました。

なぜ睡眠がどんどん後ろへずれていくの?


僕の睡眠について確実に言える2つのことは「早く起きても早く寝ることが出来ない」ということと「睡眠リズムを前に倒すことが絶対にできない」ということです。

普通の人はたぶん早く起きて早く寝るということを続けることで、睡眠リズムを多少なりとも前に進めることができるんじゃないかと思うのです。(ただし健常人であっても睡眠リズムを前に進めるのは難しく、後ろに遅らせる方がずっと楽だと言われています。これは西向きと東向きの旅での時差ぼけのなりやすさに関係しています)

しかし僕の場合は、どんなに頑張っても睡眠リズムを一定に維持することが限界で、それを前に進めることは全くできないのです。さらに無理矢理に早く起きても、夜に早く寝ることができず、睡眠不足がたたって余計に睡眠リズムを悪化させるだけになってしまいます。

僕は本当にNon-24なのか?


最後にちょっとちゃぶ台返し的なことを言いますが、私はNon-24だと医師からはっきり診断を受けたことはありません。これまで数名の睡眠専門医にもかかりましたが、Non-24を診断できる医師には一度も会ったことがないですから…。

時間生物学の研究者は多くても、臨床医学的に概日リズム睡眠障害を研究してる人は多くないのかなという印象を受けます。書籍や情報も少ないですしね。その数少ない情報源によれば、重度のDSPSと晴眼者のNon-24は隣接する疾病であると書かれていますので、明確な線引きがあるわけではないのかもしれません。


私も100%のときにずっと睡眠がずれていくわけではないのです。ここにあげるように2016年2月では、わりと外界に同調したリズムで過ごすことができています。

ただ、多くの期間では、睡眠リズムを予測することができず、毎日睡眠がずれていくという現象がある以上、実質的にNon-24としての困難な症状を持っているということです。

また、もし私が朝8時~夕方17時に寝るようなリズムに同調して生活することができたとしても、それではまともな社会生活を送れないですし、明るい中で寝るのも困難ですから、社会生活上は全く意味が無いのです。基礎研究者にとっては大きな違いでしょうけど。

治療法は?


治療法については、まだまだ研究中で、不確実な情報が多いため、本稿では紹介しません。下記に記載する参考資料を読んで、睡眠専門医と相談してください。

病気が治せなくても、社会的にこの病気が障害として認められ、また生まれつき夜型の人が大勢いるという事実が認識され、学校や会社などが時間に縛られない学び方/働き方を提供してくれるようになれば、多くの人がずっと幸せに生きることができるようになると思うのですが…。

参考資料

2017年5月1日月曜日

家庭用医薬品の世界の変化を予測する

日本では、なぜか家庭用医薬品は処方箋医薬品(医療用医薬品)よりもずっと高いという状態が続いています。もちろん医療用医薬品は保険で3割負担なのですが、10割負担だとしてもその薬価は家庭用医薬品よりずっと安いものが多いかと思います。

医師や薬剤師の時間を使ったあげくに薬が安く買えるという逆転状況は、資本主義の原理に反しており、日本の医療費を増大させる原因になります。

医薬品業界には「薬九層倍」という言葉があり、薬は原価の9倍で売れるなどと言われています。

これは家庭用医薬品の世界では、薬店などの流通業界が大きな権益を握っていることや、家庭用医薬品への参入が厳しく制限されていることがあると思われます。

現在は厚生労働省が、薬剤師や薬局薬店などの利益を重視しているため、このような無法がまかりとおっていますが、そのうちに財務省や政府から圧力がかかって状況が変わることでしょう。日本の財政状況を考えれば10年以内に劇的な変化があってもおかしくありません。

では、どう変わるのか。

まず家庭用医薬品への参入規制が緩められ、ジェネリック医薬品製造会社が大々的に乗り出してきて、通販などの流通手段で大幅に安い薬を売ることになると思います。抗アレルギー剤を90日分まとめて3000円とか、そういう世界になると思います。

もうちょっと医師による指導が必要なような薬では、いちど医師が診察して処方したら、あとは薬剤師とのやりとりだけで長い期間の処方が受けられるリフィル処方箋の導入もありえるでしょう。

処方箋医薬品の通販による販売も可能となり、さらに家庭用医薬品の通販もさらに進むでしょう。

ただし、これらの改革には日本医師会の強い反発があるので、政治的には実現するのはかなり難しくなるでしょうね。

厚生労働省は間違った日本の薬局制度を廃してバンコクの薬局を見習え | 日に以て親しむ-新井俊一ブログ 

以前もこのような記事を書きましたが、私は今は10年~20年のうちには変化があるかなという予想をするようになりました。日本の医療費は年間40兆円という恐ろしい水準になっており、もはや政治的圧力などをかまっていられる状態ではないと思いますので。

さらに踏み込んで、インド製ジェネリックを輸入して日本で正規販売できるようになれば、大幅に薬剤費を下げることが可能なのですが、日本政府はそこまでは踏み切れないでしょうね…。

2017年2月24日金曜日

タイのdtacでプランを変更する方法

タイのdtacではすでにプランに申し込んでいると、変更をする方法がよくわからないという問題があります。

このところ家のADSLが調子悪いのでdtacのデータプランをすべて使い切ってしまったあげく、データ追加プランまですべて使い切ってしまって、インターネットが128kbpsでしか通信できないというピンチに陥って慌てました。

いろいろ試したところ、dtacのデータプランをキャンセルする方法がわかったので、ここに書きます。

*1003に電話をかけて9番を押すと、英語でさまざまな案内が流れてきます。そのなかで8番 (listen to your package detail)を選ぶと、データプランのキャンセルへの道のりが現れます。

現在のプランによってそこから先の選択肢は変わってくるようなのですが、即座にキャンセルするを選ぶと、即座にキャンセルできますので、別のデータプランが契約できるようになります。

これは知らないと結構はまりますね…。

2017年1月25日水曜日

カフェインは寝る何時間前まで飲んでもよいのか?

カフェインには覚醒作用があります。そのため、当然ながら寝る前に飲めば眠りにくくなると考えられます。

一昔前まで、医師も含めて多くの人がカフェインの効果は5時間~8時間でなくなるので、それくらい前までなら飲んでもよいと言っていました。それは本当でしょうか?

カフェインの血中半減期は、健康な人の場合で3~7時間であるというのが定説です。すなわちカフェインを飲んでから3~7時間ごとに血中濃度が半分になるということです。

ということは5~8時間経過しても血中濃度は半分程度にしかならないということになりますね! まだ血液中の半分のカフェインがあるとすれば、効果がなくなるというのはかなり疑わしいのではないでしょうか。









これが半減期を3~7時間と仮定した場合の血中濃度の表です。

半減期が3時間の場合であれば、10時間後に10%となり、かなり効果が減っているだろうということがわかります。

しかし半減期が7時間の場合は、10時間たっても37%のカフェインが体内に残り、15時間経過後でも23%が残ります。すなわち朝飲んだコーヒーの23%のカフェインが夜になっても残っているということです。

健康でない人、薬を飲んでいる人は、さらに長くなる可能性があります。

ここで注意すべき点は、カフェインの血中濃度と覚醒効果の関係性は定かではないということです。血中濃度と覚醒効果が線形に比例しているとは限らないですよね。では、実際の実験結果ではどうなのでしょうか。

米国で行われた研究によれば、睡眠の6時間前にカフェインを摂取した場合でも睡眠に著明な悪影響があったとのことです。

こう考えると、健康な睡眠を保っている人であってもカフェインは朝に飲み、昼を過ぎたらなるべく飲まない方が良いのかもしれません。

ましてや私のように睡眠に大きな障害を抱えている人間はカフェインを一切飲まないくらいの方が良いのでしょうね。私はコーヒー大好きなのでやめるのはかなり難しいですが、カフェインレスコーヒーに切り替えるなどして頑張っていこうかと思います…。

2017年1月11日水曜日

The Curious Expedition - 日本語レビューと攻略


休暇でインド滞在中にネットが全然つながらない状況に陥り、観光も面倒で暇だったのでゲームをいろいろやってました。

The Curious Expeditionという探検ゲームの日本語情報があまりないようなので、ちょっとブログに書いてみることにしました。

このゲームは、19世紀の探検家となりパーティを引き連れて黄金のピラミッドを探すというゲームです。プレイヤーが主に操作することは、どのようなパーティを作るか、どのようなアイテムを持ち込むか、どのようなルートで探検するか、の三点になります。

しかし追加メンバーやアイテムは提示されたランダムな選択肢の中からしか選べないし、マップもランダム生成なので、非常に運の要素が強いゲームです。そのためセーブロードは不可で、一回こっきりの勝負になっています。


そういう意味では、名作ゲームFaster Than Lightとやや近いのですが、Faster Than Lightほどプレイヤーがコントロールすることが多くないので、ちょっと底が浅いです。そのかわり、より気楽にプレイできるのでスキマ時間に遊ぶのにちょうどよい感じです。

探検途中には、敵と遭遇して戦闘になったり、村を訪れて取引をしたり、洞窟や遺跡などを漁ったりするというイベントがありますが、イベントの種類は非常に少なくて残念ですね。

本作の最大の問題点は、戦闘でしょう。戦闘すると、あまり報酬がもらえるわけでもないのに、確実に大きな痛手を受けてしまうという仕組みになっています。戦闘を避けられれば避けられるほど有利になるので、ステルス系の技能を持ったキャラクターが圧倒的に有利です。それがゲームプレイの幅を狭めています。あと戦闘の仕組みはサイコロ頼みで、はっきりいって面白くないです。

そうした問題点のため、いまいちゲーム性は深くはないのですが、味のある8bit風グラフィックと、さくさく動く操作性のため、さくっと気持ちよく楽しめるゲームに仕上がっています。


さてゲームの遊び方ですが、このゲームは操作性が良くできているので、あまり悩むことなくどんどんプレイできるのが良い点です。

基本戦略としては、敵をよけて、コンパスの方向に向かってピラミッドを探すということになります。そのうえで、ほかの探検家と競争するための名誉点を稼ぐため、遺跡か洞窟をいくつか荒らして、いくつかの戦利品を確保することが必要です。

最初はプレイヤーキャラクターをCharles Darwinあたりで始めることになるかと思いますが、そうすると戦闘を完全に避けることは難しいでしょう。そのため、なるべく銃を購入したり、戦闘できるパーティ構成を作ることが必要になります。



しかしプレイヤーキャラクターとしてMary Kingsleyがアンロックされれば、本人のスキルとしてステルスを持っている上に、スタートメンバーのNative Warrirorもステルスを持っているため、敵を怒らせないで通過することが可能です。Native Warrirorのレベルを上げれば、ほとんど戦闘することなくクリアしていけるでしょう。

敵をよけることの次に大事なのが、アイテムスロットの数と、Sanityの値です。

初期からつれているDonkeyのスロット数はミッションの合間で50払えば一つ増やすことができますので、これはぜひやっておくべきです。アイテムスロットが多ければ、水を多数持つことで砂漠のミッションを簡単にクリアできるようになります。ジャングルを通り抜けるにはマチェーテを金で買う必要がありますが、砂漠ならタダで高速に渡れるので有利です。

パーティメンバーはイベントで失われることがありますが、そうなると荷物を持てる数が減って窮地に追い込まれるので、なるべくメンバーが失われる危険があるイベントを避けるべきです。Donkeyはわりと死ににくいので、そういう意味でもスロット数を増やしておくと役立ちます。

Sanityはゲームの基本中の基本ですので、高ければ高いほどいいのは当然です。Missionaryを連れていくことと、チョコレートバーを多数持っていくことでsanityの確保ができます。この点でもMary Kingsleyは初めからチョコレートバーを持っているので有利です。

Shrineを荒らすと地形変動がおこり、最悪の場合は即死するので、どうしてもfameが足りない場合以外は荒らすのは避けるほうが無難です。できればCaveに潜ってMummyを取りましょう。それだと松明を消費する以外にはペナルティはありません。

これでとりあえず初級者モードはクリアできるかと思います。中難易度になると、コンパスが信用できなくなること、戦闘を回避するのに必要なwarriorのレベルが非常に高くなることの二点により非常に厳しい戦いが強いられます。さらにモンスターは異常に強くなってきますので、戦闘になったら即座に逃げるしかないかと思われます…。

先日プレイしていたら中難易度でとても運良く進んでいったのですが、最後の方でちょっとミスを連発し、最後のピラミッドまであと数歩のところで全滅していまいました。残念でした…。

2016年11月12日土曜日

中国でも香港SIMで自由にインターネットを

以前、中国でVPNを使ってインターネットアクセスを試みたという記事を書きましたが、あれはほとんど失敗といっていいくらいつながらない状況でした。

中国のインターネット検閲装置である金盾はかなりよく出来ていて、SSLのように一般的に使われるプロトコル(それ自体は制限されていない)であっても、その接続がVPNに使われているかどうかをトラフィックから検知し、検知すると大幅に通信速度を制限して使い物にならなくするという機能がついているようです。(これは極めて高度な仕組みであり、これを大規模に実装するには高度な技術力と莫大な資金が投じられていることは間違いありません。)

そのためVPNで通信していると、しばらく時間が経つと全く通信できなくなるということがしばしば発生します。使っているサーバーや業者によっては安定してつながるという説もありますが、本当かどうかはよくわかりません。

しかし現在、誰でも安定して中国からインターネットにアクセスする方法があります。

それは香港SIMを使うことです。

中国政府は、携帯電話の海外ローミングによるインターネット利用は規制していません。おそらく外国人が使う分には構わないという判断や、他国の通信会社との取り決めなどの政治的理由によるものや、プロトコル上他国を経由して通信するので技術的に規制困難などの理由によるものかと思います。

(しかし香港SIMは本人確認なしで買えますし、完全プリペイドなので、自由に他人に譲渡することができてしまいます。これを中国に輸入して大量に売りさばく人がでてきたら中国政府は困ってしまうのではないかと思いますが?)



海外ローミングは一般的には高額なものですが、香港SIMは中国国内での通信を比較的安価に提供しています。一番割安な「跨境王4G香港號碼版」では、1GBあたり118香港ドル(約1600円)で利用可能です。これは日本のMVNOに比べれば高額ですが、世界的にみればさほど高くない水準と思います。

現在、これを利用しながら1ヶ月の中国旅行を行っていますが、とても安定して使えています。これをもっと早く知っていれば、台北ではなくて中国に語学留学できたのに!と悔しい思いで一杯です。ただローミングしてPCからウェブを見ていると1GBなんてあっという間に使ってしまうので、お金がかかってしょうがないですが…。(ちなみにウェブでクレジットカードでトップアップ可能)

注意点として、中国についてSIMを入れて起動してから、回線が開通するまでに数時間かかったことです。最初は壊れているのかと思い、とても不安になりました。しばらく待ちましょう。



海外SIMを使うのは難しいことではありませんが、SIMロックのかかっていない携帯電話が必要です。それをもっていない人は激安のWifiルータを買うといいでしょう。ただし普通の携帯電話で海外SIMを使うのと違って、利用には多少のITの知識が必要になります。

このモバイルWifiルータだと、電話を発信する機能がないので、海外プリペイドSIMで必須となるデータパッケージの選択や、トップアップ(プリペイド料金追加)ができないんじゃないかという疑問符がつくので、長期の旅行にはむいてなさそうです。

中国の滞在予定が短い人や、あまりデータ通信量の多くない人は、こちらの旅行者用データ専用カード(7日間または30日間)を使ってもいいかと思います。自動でデータパッケージが適用になるので、電話機能がなくても利用できます。



ちなみに、これまでも中国国内に拠点を置く大手外国企業は、中国政府の許可を受けて正式にVPNや専用線を利用することで海外と自由に通信ができていました。最近、それを一般の個人や小規模法人に提供し始めた日系企業があるようです。

こちらのグローバルゲートウェイでは、通常の中国国内のインターネット回線に、こちらの会社が提供するヤマハルータを設置することで、公式に許可を受けた対外回線に接続することができ、高速かつ安定した通信ができるそうです。

実際に使ったことはないのでわかりませんが、こういうサービスがあるのなら中国に住むことも可能だなぁと思いました。

2016年10月25日火曜日

旅行中に鼻うがいする方法

さいきん鼻の健康に気を遣っているため、鼻うがいをしています。

鼻うがいをするためには、生理食塩水が必要なのですが、旅先にいちいち計量スプーンやカップなどを持ち運んで、塩と水を計量して作るのは邪魔すぎますよね。

で、何とかする方法はないかとAmazonで色々と探していたら良い方法が見つかりました。1gなどのサイズに小分けにされた塩が売られていたので、それを鼻うがい用の容器(80ml前後)のものに直接いれて、水をいれて振り混ぜればOKです。

これだと生理食塩水よりは塩分が多い高張食塩水になってしまいますが、それでも健康上の問題はないようです。ちょっと塩辛いのが難点ですが。





2016年10月18日火曜日

電源が切断されると警報を発する装置を作った

会社の事務所で、しばしば電源コンセントがいつのまにか抜けているという問題が発生してました。

電源が抜けているのに気付かないと問題が起きる場合もあるので、電源が切れたときに警報を発する装置が欲しいと思いましたが、軽く検索しても見当たらないので、自分で作ってみることにしました。電気回路について学んだことはないので、見よう見まねでやってみるのも面白いかな、と。


電源が切れたらブザーを鳴らすような回路を作るのは簡単だろうという読みがありました。

ブザーの電源に電池を使えば簡単ですが、電池の寿命などの問題があるので、電気二重層コンデンサを使って、接続中はコンデンサに充電し、電源切断時にコンデンサの電力でブザーを鳴動させるという回路を考えてみました。(その方が回路設計上も面白いですし)

ちょっと調べたところ電気が流れているかどうかによって回路を切り替えるには「リレー」という部品を使えばよいことが分かったので、それで回路設計を開始しました。

回路設計にはブラウザで動作する回路シミュレータ Falstadを使いました。


実装にはブレッドボードを使っています。

当初、実装したところコンデンサからリレーに電力が逆流してリレーが復帰しないという設計ミスが判明し、急遽ダイオードを発注して追加するというような問題もありましたが、あとはすんなり完成しました。

簡単な回路ですが、一から自分で設計することができ、抵抗、コンデンサ、リレー、ダイオードなどの基本的な素子をいろいろ使うことができたので楽しかったです。

2016年10月14日金曜日

【不眠症対策】毎日アイスノンを頭に巻いて寝ています

先日の記事で、頭を冷やすことによって不眠症を治療する器具がFDAに認可された話を書きましたが、twitter上で「アイスノンでもいけるのでは」という指摘があり、さっそくアイスノンを買って実験しています。

「アイスノンベルト」という頭に巻く商品と、「アイスノンソフト」という枕として敷く商品があり、両方買ってみました。

最初は試しに両方装着して寝たんですが、アイスノンソフトは朝になってもやや冷たいくらいの強力な保冷能力を持っており、それで首から冷やされると全身冷え切ってしまいます。朝になると風邪みたいな状態になってふらふらです。これはちょっと僕には向いてないな、と。

アイスノンベルトはなかなか良い感じです。1時間くらいで保冷力がなくなってしまうんですが、まあ寝ようと思ってから装着して1時間くらい頭をひやせればそれでいいと思うので、とりあえず満足しています。

装着直後は冷たすぎるので髪の上から冷やして、ぬるくなってきたら直接おでこの皮膚にあてて冷やしています。

効果があるかどうかはわかりませんが、私としては悪くないかなという感じです。

2016年10月4日火曜日

病院をどうやって選ぶのか? - 因果関係と前後関係

(この記事は一般向けではなくて、特定の記事への異論として書いているので、その記事を読んでない人が読んでも面白くないと思いますので、飛ばして下さい)

先日、「健康は命より大事」 – 実践編 – - Kwappa談話室という記事が流れてきて、非常にもにょもにょしたのですが、一週間以上経過しても心のもにょもにょが収まらないので異論記事を書くことにしました。

この記事を書かれたのは私と同じソフトウェア業界の方であり、共通の知人が納得したようなブクマをつけていたので、まあ、ここは一つ異論を言ってみても何かの参考になるかもしれんと思ってます。

この記事は、「高熱が出て数日間寝込んだ→大学病院に行って徹底検査を受けて抗菌薬の静注を受けた→治った→なので数日間寝込んだら大学病院に行くべき」という記事なのですが、端的にいってものすごく因果関係に疑問がある記事だと思われます。

私は医師でも医療関係者でもないので、病気や治療や検査についてはわかりませんが、単純に論理的誤謬がはなはだしいにも程があると思いました。

具体的に以下のような疑問が生じます。

  1. 抗菌薬を静注投与したことによって回復への道のりは短縮されたのか? ただ家で寝ているだけでは本当にいかんかったのか?
  2. 大学病院に行かなければいかんかったのか? 近所の医者では本当にいかんかったのか?
  3. 仮にこのケースで大学病院に行ったことが最善であったとして、それは他の読者にとって一般化できる法則なのか?
人間の身体は複雑であり、外部から観察した場合は、あくまで確率的な推定を置くことができるだけです。だから今回のケースについて、著者が間違った行動をしたということは言えませんが、かといって近所の医者の判断が間違っているということも言えないわけです。

なぜか著者は、もし近所の病院に行ったら治っておらず、大学病院に行ったことがとても良かったという断定をしており、それが一般的な事例に適用できるとして他人に大学病院に行くことを極めて強く勧めているわけです。そこには何の論理的裏付けもありません。ここが大変もにょもにょする所です。

実際には、著者は近所の病院には受診しておらず、電話で看護師と話したにとどまります。また近所の開業医を受診して血液検査を受けたというが、再度受診して結果を聞いたのかもわかりません。後医は名医という言葉がありますが、最初は単なる風邪程度と思っていても、時間が経てば重大な病気かもしれないという疑いが増えてくるわけです。 

これらの事象では、何の因果関係も明白ではないし、相関関係すら明らかではないのに、それでもって「絶対に大学病院へ行け」と断言してしまうことに非常に不思議な印象を抱きました。

著者は、大学病院にいって隅から隅まで検査してもらって、入院して抗菌薬静注を受けたことですっかり納得したようですが、実際にはそれは過剰な検査や治療だったということも可能性としてはあるわけです。もしも小さな病医院に患者を軽症だと見なすバイアスがあると言うならば、大きな病院には患者を重症だと見なすバイアスがあるということも逆に言えるわけです。(実際にそのようなバイアスがあるかどうかは知りませんが)

有名なプログラマである著者が、なぜこのような単純な誤謬を犯すのか、不思議でなりません。


もちろん、どの医師を受診するかということは、とても重要な問題であり、情報が少ない問題でもあると思います。

医師や医療団体が「患者はどのような心構えでどのような医療機関を受診すべきか」に対して、一貫性があり誠実な情報開示をしていないように私には感じられます。

医師は、ときには「風邪のように見えても危険な病気が隠れている場合があるから自己判断せずに早い受診を」というようなことを言う一方で、「救急外来は疲弊しているから、軽症で受診するな、軽症で救急車を呼ぶな」などということを言ったりします。はっきりいって「じゃあ軽症とは誰がどのように判断するのか? 軽症かどうか患者が判断できるなら医者いらんわ!」としか言いようがないと思いますね…。

このような一貫性のない情報を垂れ流すのではなく、「どのような症状のときに、どのような医療機関をどのような基準で選定し、いつ受診して、どのように訴えをすればいいか、それからの検査や治療の流れはどのようになるか」ということをまとまった情報として提示すべきでしょう。

そのなかで「病院受診マニュアル」というブログはなかなか良い情報を提供していると思いました。ブログとして雑多な記事で埋め尽くされているので、実際に医者を探している人にとってはちょっと読んでる暇ないよ、という感じだと思いますが…。

このような本音ベースで、病院を受診するためのマニュアルが、ひとまとめに読みやすくなれば大変需要があると思うので、誰か作ってもらえないものでしょうか?

2016年9月15日木曜日

疑似科学とどのように向き合うべきか

さて前の記事の続きです。

前の記事で長々言ったことをさくっとまとめます。

まず私は疑似科学を批判したり論駁したりすることは全く意味がないと思っています。

なぜなら、多くの場合、疑似科学を信じている人は科学的に正しいかどうかに興味を持っていないので、科学的に間違ってるとか合っているとかいう議論は意味がないからです。

さらに疑似科学的な言説は世の中にあまりに多すぎるので、一つ一つ批判していたらキリが無いどころか、社会的に抹殺されかねないとすら思います。

では、どうしたらいいか?

それには三つあります。


1. 批判ではなく教育をすること

全ての人が正しい科学的知識をもって正しい考えを持つなどということは現実的ではありませんし、そうなるように教育することなどは不可能でしょう。

しかし科学教育において重要なキーポイントとなる考え方というのは存在すると思います。

例えば「対照試験」という考え方は、水素水のような健康関連分野から、オーディオオカルトのような分野まで幅広く一刀両断にする知識を持つことができるだけでなく、実社会において仕事や学問などに役立てることができるという素晴らしい知識です。(対照試験は、科学研究や工学や医学の世界だけでなく、マーケティングの世界でも広く使われています)

このような優れた考え方を普及させるために全力を注ぐべきではないでしょうか? また、物事を適切に疑うような多面的な考え方の育成や、ディベートの授業なども役に立ちそうです。

また、もし疑似科学批判をするのでも、このようなキーポイントに的を絞った批判をしなければ、余計に議論を混乱させるだけと思います。

水素水を批判するのに適切なのは「適切な対照試験を経ていない」という一言だけです。「飲料水に水素を入れることなど不可能」みたいな言説は不適切です。じゃあ実際に飲料水に水素を入れちゃった人がいたらどうするのか?という話です。


2. どうしても批判する場合は、非科学性ではなく、言説を取り上げている社会的文脈を踏まえて批判すること

それでもどうしても批判しなきゃいけない場面というのもでてきます。例えば、反ワクチン運動だとかいうようなものは一切許容出来ない言説です。また新聞やテレビのような影響力の大きいメディアでは、健康や医療の偽情報がでることなどは許容出来ないでしょう。

私は、反ワクチン運動を広めるような発言であれば、facebook上の普通の友人であっても、必ず絶対に反論することにしています。それが友情を傷つけるとしても、反ワクチン運動だけは社会的に絶対に許してはならないからです。

しかし、そのときに「反ワクチン運動は科学的に間違っている」などということは全く意味がないことだと思います。そもそも反ワクチン運動を信じる人は、科学的正当性などに興味がないどころか、「何が正しいのか、何が嘘なのか」などということ自体に一切の興味をもっていないと思います。

だから私は「反ワクチン運動が広まれば、多くの子供達が苦しむことになる」ということに絞って伝えます。とにかく子供たちが苦しむ、というイメージを伝えることが大事です。その理由はあまり大事ではありません。

反科学性を批判するのではなく、その偽の言説が社会的にどういう悪影響があるのかを、その発言した相手だとか、記事を載せた新聞社だとか、そういうところに直接に伝えなければいけません。


3. なぜ疑似科学が生じるのか、その理由について考察する

僕は、この数年間、とても不思議に思っていることがあります。facebookで世界の友人の発言を見ていると、女性の間で、なぜか自然派志向みたいな不思議な宗教的な発言がとても多いということです。

○○という食品は自然だから良いとか、ヨガをして空気中の何とかパワーを取り入れようとか、○○という食品は化学成分が含まれているから悪いとか。

こういう発言は、世界のどこの女性にもかなり広まっています。そういう発言をおおっぴらにしない人でも、じつは化学調味料は健康に悪いと信じていたり、そのような価値観を持っている人が大勢います。

こうした考えは今に始まったことでもないでしょうが、なぜこうした発言がミームとなって世界中に広まるのか? なぜ疑うことをせずに、こうした発言を受容するのか? その点が私にとってとても興味深いと思っています。

なぜそうしたミームが強力に広まるのか、逆にどうしたら良いミームを広げることができるのか? そういうことを考えなければ対策は難しいように思います。