富士通は、メインフレーム、SPARC、x86など、多種多様なサーバを発売していますが、そのなかに高信頼性x86サーバPRIMEQUESTという製品があります。
この製品シリーズでは、マザーボードも含めた多重化を行い、高い信頼性を売り文句にしていましたが、最新機種ではXeon E7の高信頼性機能を使い、マザーボードやCPUに故障が発生しても故障したマザーボードを自動的に切り離して、停止せずに稼働を続けることができるという驚くべき機能を搭載しています。
さらに、動作を継続したままマザーボードやCPUの交換や追加を行うことができるという変態的な機能まで実現しています。
これにより主要な部品全てが完全多重化され、主要部品が故障してもそのまま動作を続けることができます。
それによって99.999%というIBMメインフレームと同等の高可用性を実現しています。
Intelが詳しい説明を出していますが、こうした機能がx86のLinuxで実現されるのは世界初ということです。
ヒューレット・パッカード社は、超巨大x86サーバのSuperdome Xを発売していますが、そちらよりも先に富士通が実装したということは驚きです。
これが特別なOSではなく、通常のRedhat Enterprise Linuxで実現されているというのだから、さらに驚きです。ハードウェアとOSレベルで実現された高可用性なので、ソフトウェアに全く改変が必要ないというのも魅力と言えるでしょう。
メインフレームなどいくら高信頼性といっても、ハードウェアの保守運用だけでも特殊な知識を必要としますし、さらにその高信頼性を引き出すために特殊なメインフレームOSまで使うとなると、ソフトウェア開発費用や保守費用が爆発的に増大してしまいます。
もちろん信頼性はハードウェアだけで担保するものではなく、ソフトウェア障害やネットワーク障害もありますから、このサーバを導入するだけで高可用性が得られるものではありません。しかし、それでもハードウェア故障が防げることによって、システム全体の高可用性を保つことが容易になります。
ソフトウェアによる冗長構成も必要ですが、フェイルオーバー時のトラブルを考えると、なるべくフェイルオーバーしないに越したことはないのが現状だと思います。
気になるお値段は非公開のようですが、過去のモデルなどから類推すると、ハイエンドx86サーバとしては一般的な数百万円から数千万円程度の価格設定なのではないかと考えられます。頑張れば手が届く金額となってくると、俄然欲しくなってしまいますが、そんな大金をサーバひとつに使うわけにはいきませんので、我慢我慢です。
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