2012年4月11日水曜日

起業をする人が知っておくべき、起業の現実とは

起業とは何でしょうか。この数年のウェブ世界では起業論がブームになっているようにも思います。やってみるまでわからないことも沢山あるでしょうが、やってみなくてもわかることもいくつかあると思いますので、私の経験も交えて起業論を話してみます。

・心構え

独立や起業することは良いことなので、「やってみれば」と言いたいところですが、起業することはやはり責任が重く、ピンチも沢山やってくるので、気軽に薦めるわけにも行きませんね。

起業する前には、とにかく大ピンチを想定してやったほうがよいでしょう。

仕事は全くこない、もしくは仕事を納期までに終わらせられず顧客に大損害を与える、迂闊にも仕事を安請負して大変なことになる、破産して多大な借金を背負う、病気になる、従業員は出社拒否になる、共同創業者とも喧嘩して残ったのは自分一人、新規事業は数年間売上がほぼ0のまま、平日も土日も朝から夜までずっと仕事でそのうえ雑用ばかり。

こんなことは多くの社長が経験していることです。

起業家にとっては「失敗が当然」なのです。

社長には、何事にも自分で責任を持つ責任感が必要な一方で、「失敗して、自分や家族や顧客や従業員や金融機関に多大な迷惑をかけても、自分は大丈夫、なんとか生きていける」という考えがないと危険です。利益と現金以外のことには無頓着な気持ちでないとやっていけません。「失敗しても命まで取られることはない」と、覚悟を決めてやるしかないのです。これだけの責任を負うというのは大変なことです。

「借金をしない」「事務所を借りない」「従業員を雇わない」「請負契約には強い免責条項を入れる」というルールを厳守すれば、こうした責任の大半から逃れることができますので、まずは責任を負わずに独立自営したい人は考えてみると良いでしょう。

さて、起業するにあたりいくつかの分類があるので、以下で見ていきたいと思います。

・フリーランスと起業

一言に独立するといっても、単に会社を離れて一人でフリーランスとして独立する場合もあれば、従業員を雇うなどの投資をして新しく企業を興す場合もあります。

フリーランスは単に契約形態が違うだけで、仕事自体は自分が一人でこなしているので、起業というほどのものではないでしょう。フリーランスは、とても能力があり、営業活動もしっかりできる人であれば、暮らしていくことは難しくないでしょう。コツは、営業活動(講演、執筆、業界活動等)に十分な時間を割くことと、必要な給与の2倍以上の時間単価を課金することです。

フリーランスは、起業の練習段階として捉えることもできますし、プロフェッショナルの究極の働き方として捉えることもできます。どちらにしても大事なことは、一社の専属にならないことです。もし一社専属であれば、フリーランスではなくて単なる契約社員ですから・・・

フリーランスは、請負契約の責任にさえ気をつければ、ほぼリスク0で独立できますので、やってみる価値もあるでしょう。ただし中年以上のサラリーマンの場合は、独立しても仕事が取れなかったときに、再就職できる見込みがあるかどうか要注意です。ちなみに独立前に見込み顧客がいない場合は、独立しても絶望的ですのでやるだけ無駄でしょう。副業からスタートするのが無難かもしれませんね。

それに対して、人を雇う、設備や製品に投資をする、などをすれば起業であると私は考えます。起業については以下に述べていきます。

・製品企業と人材企業

起業して会社を作る場合であっても、製品を作る企業になるのか、人的サービスを売る企業になるのかということは、大きな違いであるとよく言われます。後者は、いわゆるソフトウェア企業での受託企業ですね。

人的サービスを売る企業は、投資の必要性が少なく、社長の能力や営業力を活かしたり、下請けの仕事や小さい仕事を取ってくることができますので、参入しやすく、小さく始めることが容易であると言えます。

問題としては、参入が容易なため競争が激しく薄利で低成長になりやすいことと、景況の波に対応しにくいことの2つがあります。市場自体が低成長の場合には、差別化と営業努力が要求されます。

それに対して、製品を作る企業の場合には、投資も必要ですし、うまく製品が売れるかどうか分かりませんので、新規参入は圧倒的に難しくなります。売れたとしても数年間くらい時間がかかることも普通です。いきなり新米社長が製品を作るのは非常に難しいものです。

かといって人材企業を作ってから製品企業に転換するというのも、とても難しいのです。一つの会社の中に、淡々と他社の仕事をこなしてお金を稼ぐ部門と、金になるかわからない新しい製品を作る部門を並立させるということは、どれだけ困難か想像してみてください。人材企業として成功して利益がでていれば、そうした贅沢もできるかもしれませんが、薄利でやっている人材企業にとっては、そんなことは不可能なのです。既存の従業員が、かえって足枷になってしまうのです。

最悪なのは、「何か新しいビジネスをやるぞ」「製品を作るぞ」と言ってスタートして、なし崩し的に受託企業・下請け企業になってしまい、「本当は製品が作りたい。受託なんてしたくない」と言っているケースです。

まあ、人生にはそういう時期もあるかもしれません。が、それを長く続けたら人生最悪ですし、そういう会社の従業員になることも最悪なので絶対に避けるべきです。受託をやるならやるで、本気でやらなければ生き残っていくことなど出来ないのですから。

・新規市場と既存市場

他にも企業には色々な分類の仕方があるかと思いますが、「目新しさ」ということは一つの大きな要素です。

これまでなかったような全く新しい市場を作り出すのか、現在も競争相手がいて普通に商売をしているところに、ちょっとだけ違うものを投入してお金を儲けるのか。

全く新しい市場で、既存のお客さんや競争相手のいないところに乗り出すのは、基本的には自殺行為です。大成功する場合もあるでしょうが、99.99%は大失敗するでしょう。それで大きく成功している例が目立つだけで、その陰には無数の死者がいるのです。

インターネット業界では、今も昔も「それでどうやって金が儲かるのか?」というビジネスで起業する人が後を絶ちません。残念ながら「便利で面白いソフトウェアを作りました」では商売にはならないのです。基本的には、確実にお客さんが金を払ってくれるものを作らなければいけないのです。もしくは、とてつもない数のユーザを獲得できるようなものを作ってうまく普及させる必要があります。

新規市場に乗り出すからには、「どんなことをしてでも自力で新しい市場を開拓する!」という覚悟と、それだけの能力が必要不可欠です。その根性がないのなら、既存市場にしておいた方が無難でしょう。

もちろん、コカコーラに対抗して新しいコーラを発売するとかいうことも自殺行為ですが、それでも本当に違いが分かるほど美味しいコーラならマニア層が多少なり買ってくれる可能性はありますので、いくらかマシと言えます。

でもWindowsに対抗して新しいOSを作るとか、弥生会計に対抗して新しい会計ソフトを作るというのは、ほぼ無理でしょうね。ネットワーク効果や、顧客にロックインが発生する分野では、すでにシェアの大きい企業に対抗しての新規参入は困難ですから。

起業がかっこよいからやってみる!というのも悪くないとは思いますが、成功の見込みのないソフトをうだうだ開発し続けて、そのあげく失敗して非正規労働者に転落では悲しすぎます。自分の「起業」が単なるモラトリアムではないか、それを確認するために「これで本当にお金が稼げるのか?!」と問い続けるべきでしょう。

・大きく賭けるか、小さく賭けるか

起業にはもう一つ重要な分類があります。急成長を狙うベンチャーをやるか、それとも自分にとってちょうどよいペースでやるか、です。

急成長を狙う場合は、基本的には投資家からの投資を受けて、うまくお金や人材を活用することによって、急成長を狙うということになります。これにはビジネスモデルも大事ですし、経営者や創業者にはかなりの能力が要求されることになります。また、失敗を前提として、投資によって資金調達することで個人のリスクを軽減します。ストレスや困難は大きいでしょうが、これはこれで個人的なリスクの少ない方法です。

自分にとってちょうどよいペースでやる場合は、基本的には投資を受けず、徐々に自己資金での成長を目指していくことになります。場合によっては政府金融機関から融資を受けたりすることもあるでしょうし、従業員も徐々に雇うかもしれません。大事なことは何事も無理をせず徐々に進めることです。会社を清算したときに多大な借金が残らないように、つねにキャッシュフローに気をつける必要があります。

副業として開始をして、本業の給料などをつぎ込みながら行う、バイトしながら行う、というのも一つの方法です。副業なんかでうまく行くのか? と言う人もいるかもしれませんが、副業でうまくやれるくらい高いモチベーションの無い人は、本業にしても失敗するに決まってますよ。

粗利が年間数千万円の会社など、吹けば飛ぶような零細企業ですが、もし一人だけでやっているビジネスなら素晴らしい事業です。売上が何億円あっても、多くの従業員と、負債の個人保証を抱えていれば、個人的には全く裕福とは言えません。

起業家にとっては失敗が標準なのですから、失敗してもダメージが少なくて済むように常に心がけるべきです。

・起業家のエコシステムとは何か

起業家のエコシステムということが良く話題になります。起業がもっと盛んになるにはどうしたら良いか、という議論が盛んです。投資が受けられれば良いとか、メンターやアドバイザーがいれば良いとか、そういうことが言われますが、私は以下のように考えます。

まず、お金に関して言えば、投資というのはあくまで利益が生まれてこその投資ですので、ベンチャー企業が売上や利益をあげられることが前提です。現状の日本では、ソフトウェア企業にお金を投じたからといって、それが利益につながる関係がまだ見いだせていないように思います。米国のように市場が巨大で、企業買収が盛んな場所では違うのかもしれませんが・・・

メンターやアドバイザーも良いかもしれませんが、そもそも成功した起業家が表に出てこない日本では、メンターたり得る人がほとんどいません。自分で起業したことない評論家やコンサルタントの人は、たまに意見をもらうアドバイザーやコンサルタントには良くても、メンターとは言えないでしょう。また、一緒に仕事をして責任を取ってくれる人こそが、本当の指導者です。Googleにおけるエリック・シュミットのような人がいれば起業家は大きく成長できるでしょうね。

とにかく主役たり得るのは起業家だけではないでしょうか。

起業家が魅力的な商品を作れば、消費者や企業などの顧客も食いついてきますし、新しい市場も立ち上がります。起業家が魅力的な会社を作れば投資家も食いついてきます。成功した起業家がどんどん生まれればメンターも投資家も買収も増えてくるでしょう。

まずは独立してフリーランスになるもよし、一人でしこしこ製品を作るもよし、人材サービス企業を作るもよし、一人一人がやれることをやるしかありません。

一つだけ大事なことは「くさらないこと」だと思います。これまで起業する人を数多く見て来ましたが、ほとんどの人は売上があがらなかったり、思うようにいかなかったりして「くさって」意欲を失ってしまいます。意欲を失った、死んだような会社を続けて、そんなところが従業員を雇っているのは最悪なことだと思います。

そんなに簡単に起業がうまく行くようなら世界は億万長者だらけですよね。

私も独立してからもう10年くらいにもなりますが、まだまだ商売では初心者中の初心者です。本当に思うように行かず失敗ばかりですが、とにかく失敗を糧にして、成功した人たちから学び、なんとかくさらないでやっていきたいものです。

追記: ちなみに起業を止めようと思ってこの記事を書いたわけではありません。私のようなダメな起業家がなんとか10年間も喰って来れたんですから、あなたもきっとやれますよ! 起業は楽しいですよ。

2012年2月21日火曜日

メイシーに項目追加機能がつきました!


メイシーにも続々とお客様が増えており、新しいご要望を頂いております。

今回は、名刺データへお客様独自の項目を追加できる機能を実装いたしました。これにより、名刺データにfacebookアカウントなど独自の項目を追加して、より便利に管理していくことが可能となります。

これからもご要望には可能な限り対応していきますので、お気軽にご要望をお寄せ頂ければと思います。よろしくお願い致します。

日本から逃げた先に幸せはあるのか?

2月2日から3ヶ月の予定でバンコクに滞在中の新井です。こちらにお立ち寄りの方、在住の方など、是非お気軽にお声がけ頂ければと思います。

こちらでタイ語を学んだりしながら、のんびり暮らしています。と言いたいところですが、スケジュールのきついプロジェクトがあるので毎日バリバリ仕事をしています。

私は、これまでロンドンやソウルなどに3ヶ月くらい長期滞在して語学を学んだり遊んだりして暮らしてきた経験がありますが、今回も同じような遊学の予定です。前回までと違うのは、今回はフルにインターネット接続された状態で、日本と同じように仕事をこなしながら生活するということです。

べつにバンコクに永住しようとか、仕事を見つけようとか、そういう考えがあるわけではありません。単にバンコクにしばらく暮らしてみたくなっただけです。10年前とは違い、いまは高速なインターネットが容易に手に入る時代ですので、このように海外に長期滞在をするのは簡単になりました。

さて、最近ちまたでは、日本はもうダメだから海外に逃げようとか、富裕層が海外に逃げるとか、そのような言説が目立ちます。

ですが、そのような人たちは、はっきり言ってまともに結果を考えているとは思えません。逃げた先にどのような幸せがあるのか、それが全くわかりません。

「日本が軍事独裁国家になり戦争に突入するから逃げろ」という妄言を吐いた人もいましたが、世界で日本よりも戦争や独裁から遠い国というのは数少ないような気がします・・・ この人の住んでいるアメリカ合衆国という国は、あちこちで戦争をやっていて大勢の戦死者を出し、テロ対策のために空港で全乗客を全裸スキャナーで検査するような国だったような気もしますが?

バンコクは物価も安く、とても暮らしやすい国です。しかし、この国で住み続けるためにはビザというものが必要です。この国では、起業家がビザを取るルールはなかなか厳しいようで、簡単に取るというわけにはいかなさそうです。

こちらで日本人の現地採用の仕事を探すと、だいたい5万バーツ~6万バーツ(13万円~15万円)というのが給与の相場です。一時的に海外で仕事をする体験は悪くないかもしれませんが、長期的に働くとなると将来の貯蓄やキャリアパスに不安を感じます。いつまでもタイに住んで働けるとは限らないのですから。タイだって、どんどん成長して生活費もあがるでしょうし、おそらくは日本人の居場所も少なくなるでしょう。

外国で働くということは、ビザの問題と、能力発揮の問題があり、とても難しいことだと思います。ビザを考えると起業家やフリーランスという選択肢はまず不可能です。能力を発揮するという点からも、外国人が仕事をするのはどの国でもすごく不利になるでしょう。言語力で劣るだけでなく、人脈、文化の理解、法制度など全ての面でマイナスなのですから。

海外に住むということは、法的に極めて脆弱な条件に置かれることになります。ちょっとした軽犯罪ひとつで追い出されたり、政治的に問題発言をしただけで追い出されたりするかもしれません。会社を辞めれば、次の仕事を見つけるまでにビザが切れてしまうかもしれないのです。

たしかに金型や溶接の技術者など、一部の特殊な技能を持つ方は、タイの方が好待遇を得られるということもあるかもしれません。極めて優秀なソフトウェアエンジニアや研究者はアメリカにいったほうが好待遇を得られるでしょう。しかし、そういう例はごく僅かです。バンコクでは現地採用の日本人のプログラマの給料は5万バーツ(13万円)程度です。

税制のために富裕層が海外に逃げるという意見を持つ人もいますが、脱税を目的とする場合は日本と縁を切る覚悟が必要ですね。日本にある程度滞在している場合には、日本で課税される可能性があるわけですから。税金が安くなるからといって、日本と縁切りするほど魅力ある税金の安い国があるでしょうか? 香港やシンガポールは永住するにはちょっと退屈ですよね。

もちろん私は、国際的であることは素晴らしいことだと思っています。プログラマで英語ができないとか、ちょっとあり得ないと思うので、さっさとセブ島にでも留学すべきだと思います。海外体験を積むことも素晴らしいことだと思います。

日本人ならいつでも世界に飛び立てるのに、世界がどんなに魅力的だということを知らずに死ぬのはもったいないです。ラオスの山奥で農業をして暮らす人々も、サンフランシスコでソフトウェアの仕事をして暮らす人々も、どちらも出会う価値のある人々です。まあ、私は結局のところ、日本人以外では韓国人が一番つきあいやすいと思いますけどね。文化的に近いので。アメリカ人とかは個人的にはちょっと付き合いにくいです。

海外に行けば、日本がいかに素晴らしい場所であるか、戦後の日本人がいかに頑張ってアジアの人々の尊敬を勝ち取ってきたか、そんなことを学ぶこともできると思います。

海外で一旗あげるぞ! 武者修行だ! 留学だ! 起業だ!という野心に燃える方は素晴らしいので是非がんばってほしいものです。海外で楽しく暮らすぞ! という方も、楽しいので是非いらしてください。

しかし「日本はもうダメだ」などというマイナスな考え方をばらまく人は、海外に行った先に何があるのか、もう一度考え直して欲しいものだと思います。

私には、ちょっと世界のどこかの国で、日本人が働いて暮らすとして、日本よりも楽に良い待遇や環境が得られる場所というのは思いつきません。そこに住む日本人達は、彼らなりの思いや経験を経て、死にものぐるいで頑張って、ようやくそこにいるのではないでしょうか。戦争や政変でも起こらない限り、日本人にとって、海外の方が暮らしやすいなどという日は来ないでしょう。

追記: 誤解を招く部分があるので追記しますが、私は海外留学も海外就職もとても楽しくて良いことだと思っています。どんどんやるべきです。ただ「日本はもうダメだ」と悲観的なことを言うのはやめてほしいなあ、というだけです。

あと起業家でもビザが取りやすい国もあるそうです。いま私がいるタイはすごく厳しいようですが、そうでもない国もあるみたいですね。日本で起業家ビザを取ろうとしている友人から、日本もわりと取りやすいという話を聞きました。


追記2: (2017年2月9日) 本稿ではセブ留学を薦めていましたが、現在はセブ留学はあまり推薦しない立場です。語学留学の目的は、現地で言葉を実用することによって語学の学習を大幅にスピードアップすることです。

しかしフィリピン留学は、セブシティやマニラ市の治安が悪いこともあり、語学学校がやたら詰め込み型であることもあり、毎日6~8時間もアホみたいに授業ばかり受けて帰ってくるという話をよく聞きます。

これでは語学留学の目的に反しており、日本からSkype英会話の授業を受けまくっても同じことだと思います。授業は一日3~4時間も受ければ十分。あとは宿題を終えたら街に出て会話するべきです。それがセブシティやマニラ市では治安が悪いため多くの日本人にとって難しいので、あまりおすすめしないということになります。

また、きわめて質が低い学校が多いという話もよく聞きます。そもそも一日に授業を8時間も受けさせるような学校は、外国語教育について全く知識がないと考えてよいでしょう。

各国で大学が運営する正規の語学学校では、集中コースでも一日4時間で週20時間程度の授業です。それ以上の授業時間を設けても効果が薄いということなのでしょう。予習復習などもありますしね。

フィリピンでももっと治安の良いところはあるでしょうし、治安が悪くてもがんがん遊びに行ける人もいるでしょう。だからフィリピン留学をすべて否定するわけではないですが、万人に勧められるものではないかな、と。

じゃあ、どうやって英語を学べばいいんだ? と言われるとよくわかりません。僕はなんとなく普通に暮らしているうちに数十年かけて自然に英語ができるようになってしまったので、英語を真面目に学習したことがないんですよね。だって日本に住んでいても英語って普通に読んだり聞いたりするじゃないですか。趣味や仕事で深掘りしていけば必ず使うでしょう。

2012年1月29日日曜日

Winny事件を最高裁での勝利で終えて

先日、Winny事件での最高裁判決があり、無罪という結論になりました。金子さんが逮捕されてから7年にもなります。この記事では、私の立場からのWinny事件の感想をまとめたいと思います。

私は、金子さんが逮捕された直後からウェブサイトを立ち上げて支援活動を行い、無数の方々から1500万円もの支援金を頂いて、弁護費用に充てることができました。このように広い範囲からご支援を受けての弁護活動というのは日本では珍しい事例なのではないかと思います。

私は、何らかの政治的バックグラウンドや活動歴や人脈があるわけではなく、全くの知らない人々から支援を受けて、それを弁護団に届けただけの無名の一般人、ということになります。ありがたいことに、いまだに無名のままでいます。

私は金子さんとは面識がありましたので、金子さんが善良な人であるということには、ある程度の確信がありました。金子さんの人柄がなければ、あれほどの支援を受けることは難しかったでしょう。

刑法にも若干の知識がありましたので、法的にかなり無理をしての逮捕であるということも想像が付きました。刑法学の教員をしている友人に薦められて読んだ刑法入門の本が、まさか実際に役立つ日が来るとは思ってもいませんでした。

警察が社会の規範を一方的に定めるべきではないという私なりの考え方もありました。社会の規範は、あくまで国民の意思をもとに国会で法律として定められるべきです。警察や検察が勝手に勇み足で、法的に無理な逮捕・起訴を行うべきではありません。

しかし、まさかこのように多額の支援が集まるとも、最高裁まで戦って無罪が勝ち取れるとも思ってもいませんでした。

今だから言うことができますが、個人的にはWinnyのファンというわけではありませんでした。ファイル共有ソフトウェアはどうしても違法コピーの牙城となりがちですし、流出した情報が回収困難になるなどの問題があると考えていました。

しかし、法的根拠もないのに警察が開発者を逮捕する、ということは全く話が別です。

そのようなことが行われれば、法的に曖昧な領域での技術開発や事業推進が行われなくなってしまいます。新技術や新事業というのは、しばしば法的に曖昧なものですから。

それどころか、検察はライブドア事件によって日本のベンチャー市場を完全に破壊してしまいました。あれから、いまだに日本の新興市場は低迷を極めています。

日本の株式市場には、明らかに異様な仕手筋の企業がのうのうと上場を続け、一部上場企業のオリンパスは多額の粉飾をしても平然としています。その一方で、ライブドアは、ただ目立っていたというだけで、検察によって潰されてしまいました。堀江さんは、いままさに監獄の中にいます。

日本の警察は、パチンコのような違法ギャンブルを黙認することによって自分たちの利権のタネとする一方で、村木事件のような数々の冤罪を生み出しています。検察や警察にはもっと厳しい目が向けられてしかるべきです。

もちろん日本は素晴らしい国であり、優れた民主主義の法治国家であることは間違いありません。Winny事件でも、無数の多くの人々から支援の声があがり、最終的に無罪を勝ち取ることができました。

しかし今回のように、多くの人が声をあげていけば、この国はもっと良くなっていくのではないかな、と思います。私も、この経験を生かして、今後とも何かの機会があれば、いろいろと活動をしていこうかな、と思っています。

最後に、これまでの皆様のご支援に心より厚く御礼を申し上げるとともに、今後とも皆様が社会を変えるために立ち上がっていくことを願ってやみません。今回の勝利は、1円でも寄付して頂いた皆様のものです。まちがいなく。

2012年1月14日土曜日

海外送金のWestern Unionが日本再登場

Western Unionは少額国際送金のグローバルスタンダードです。

これまで数年間の間、日本では取り扱いがなくなっていましたが、最近、便利になって復活しました。

銀行で海外送金をする場合、書類の記入も多く面倒ですし、一回の送金ごとに6500円くらいの多額の手数料がかかります。

Western Unionであれば、受取人の名前さえ指定すればお金を送信することができます。相手が身分証明書を持ってない場合でもパスワードにより送信できるという機能があり、それにより身分証などの整っていない後進国でも利用可能となっています。

手数料も5万円までなら1500円と割安です。

企業でも少額の送金にはWestern Unionを使うところがあるようです。先日、中国の電子機器メーカーにサンプルを発注したときは、Western Unionか銀行送金で決済してくれ、と言われました。

ヴィクトリア朝時代のインターネットによれば、Western Union社は、もともと電信の会社として設立され、19世紀に世界でも最も早く電信送金を実現した会社だということです。いまになってもそのサービスを継続しているのだから、非常に息の長いオンラインサービスということになりますね!

2011年12月30日金曜日

日経サイエンスより: がんワクチン新時代

日経サイエンス」という雑誌があるのをご存じでしょうか。

この雑誌は、米国のScientific Americanという一般向け科学雑誌の翻訳ですが、とても高い水準で編集されており、素晴らしい雑誌です。科学者や技術者だけでなく、知的読み物を楽しむ多くの人に愛されています。面白いところでは芥川賞作家にはこの雑誌を購読している人が二人もいるそうです。

今の時代、すべての知的職業人は科学的思考法を身につけるべきだと私は考えます。世の中に氾濫する情報から嘘を見抜き、有効性のある行動や思考をするためには、科学的思考法なくしては不可能です。この雑誌の記事は、原則的に科学的手法に基づいて書かれていますので、自然に科学的思考を身につけることができます。

この雑誌からは、科学的思考法だけでなく、知的な文章を書く方法、知的な議論をする方法を学ぶこともできます。日本語で読める定期刊行物としては、最も知的水準の高いものではないかと考えます。

全ての日本人は「日経サイエンス」を定期購読すべし! と私は強く推薦します。私は中学生の頃からこの雑誌をずっと読んでおり、知的発達に大いに役立ちました。自分のためにも、お子さんのためにも、この雑誌をぜひ購読しましょう。書店にも置いてありますので、まずは書店で一冊買ってみてください。少し難しい記事もあるかと思いますが、その骨太の知性こそが知的発達につながるのです!

さて、宣伝文句だけつらねていても説得力がありませんので、これから折に触れて当ブログ上で「日経サイエンス」の記事の紹介をしていこうと思います。

今日は2012年1月号より「がんワクチン新時代」という記事を紹介します。


癌の免疫療法というものは長らく研究が進められていましたが、これまでは残念ながらほとんどうまくいった例はありませんでした。癌の免疫療法というものは、人間の持つ免疫系を刺激して、それによって癌を攻撃するというアイデアですが、これまでの試験結果は落胆に終わるばかりで先行きが極めて危ぶまれていました。

それが2010年に米国でプロベンジという初の癌治療用ワクチンが承認されたことで変わってくる可能性が見えてきました。

ターニングポイントとなったのは、2002年の発見でした。患者の体内から癌細胞を取り出してそれをヘルパーT細胞に憶えさせて、そのT細胞を大量に培養して、体内に戻したところ、癌が大きく縮小したのです。それまではキラーT細胞のみを増殖させていましたが、その方法は失敗に終わっていました。この発見により、キラー細胞とヘルパーT細胞の両方を刺激すれば、癌を殺せるということが分かりました。

プロベンジも、患者の体内の免疫細胞を取り出して、それに癌細胞の断片を攻撃するよう教え込ませて、それから体内に戻すという手間のかかる方法をとっています。問題はその費用で、生存期間を4ヶ月延長するために750万円の費用がかかるのです。

他の製薬会社では、癌細胞に特徴的なタンパク質の断片(ペプチド)を作りだし、それを患者に投与する方法を模索しています。この方法であれば、多くの患者に共通のペプチドを使うことができるので、コストは大幅に安くなります。

この記事は、実際に癌ワクチンを開発している会社の社長が書いているので、臨場感があり、面白い記事でした。

日本版のみのコラムでは、大阪大学が開発しているWT1ペプチドワクチンが紹介されていました。これは多くの種類の癌に効く可能性があるワクチンで、既に国内で臨床試験に入っており、これまでのところ有望な結果が得られているそうです。

注: 誌面では「癌」ではなく「がん」という表記が使われていますが、本記事中ではPC上で読みやすくするため、癌という表現を使いました。医学的には「がん」という表記のほうが広く使われています。

恋するプロセス: 非モテ男性は間違った考え方をやめれば彼女ができる

近頃、「女性と付き合ったこともないし、その望みも全く無い」というようなことを言う男性がネットでは増えてるなあ、と思いました。現実にも、プログラマなどの仕事をしている人にはそういう人がいるようです。

彼氏や結婚相手を探している女性が大勢いるのに、女性とのつきあい方が分からない男性が増えているのは、非常にもったいないことだと思います。

こういうことをソフトウェアビジネスのブログで書くのもなんですが、独身男性プログラマの皆さんのお役に立つのではないかと思い、こちらに書かせて頂きます。

自分はモテないと思っている男性は、間違った考え方を持っていて、そのためにモテない状態になっているのです。それらを改めれば、モテモテとは行かないまでも、普通の一般男性と同じくらいにはなれるでしょう。


最大の間違った考え方は、どのようにして女性と交際を始めるかについてです。

非モテ男性は、しばしば、そのプロセスを

女性と知り合う→好きになる→恋に落ちる→告白するorデートに誘う→付き合う

と考えています。しかし、現在の日本においては、自然なプロセスは、

女性と知り合う→とりあえず食事に誘う→お互い気に入れば付き合う

となります。

前者の「惚れてから告白」メソッドの問題点は、多数あります。惚れてから告白だと振られれば傷つきますし、そもそも恋愛の機会が大きく減ってしまいます。それに、どうしても高望みしがちになります。最大の問題は、惚れてからデートに誘うと、気負いすぎて、女性に「気持ち悪い」と思われがちになることです。

女性を食事に誘うときは、なるべく気負い無く自然な感じで誘うほど成功の可能性は高まります。ですから、特別な感情を持つ前に、少しだけ好意がある人を誘うのが一番良いのです。それなら振られても傷つきませんしね。

特別惚れた相手じゃなくても、女性と付き合うというのは良いことです。人間として成長させてくれますし、付き合えばどんどん好きになっていくということもあるでしょう。

ですから、気軽に多くの女性を食事に誘って、交際のスキルを高めて、誰かと付き合うことを強くお勧めします。


次に多くの人が間違っているのは「自分は男として魅力がないからモテない」と思っていることです。それは90%以上の確率で間違っているでしょう。いえ、べつにあなたに魅力がないことを否定するわけではありませんが、現実には、多くの魅力のない男性が女性と付き合っているわけです。魅力がないことは付き合えない原因ではないのです。

女性にモテないのは、自分を売り込む方法が下手で、売り込む回数が足りないだけです。すなわち営業努力が足りないのです。

経営の世界には「商品2分に売り8分」という言葉があります。商品自体の力よりも、営業の力のほうがずっと大切だということです。

ビジネスの世界では誰もが営業マンにうんざりしていますので、営業とは非常に難しい仕事です。ですが、ありがたいことに、日本では美女以外の独身女性は男性の誘いを待っていますので、無難にアプローチすることができれば、あまり嫌がられることはないでしょう。

とにかく気負い無く、自然に誘い、断られたらすんなり諦めることです。あとは、それを繰り返していれば、どんどんスキルがあがっていき、うまく行くようになるでしょう。

そもそも女性と知り合う機会がないという人もいるかもしれませんが、ちょっと行動範囲を広げれば色々なところに女性はいるものです。プログラマの狭い世界にいる希な女性を口説くよりも、女性が多いところにいる女性を口説くほうが難易度はずっと低いでしょう。

参考書としては「モテる技術」という本をおすすめします。この本はアメリカの本なので、日本の社会には合わない点もありますが、とても具体的で正しいことが書いてあるので良い内容です。モテ本をあまり読んだことがあるわけではないので、これがベストとは言い切れませんけど。この本はセックスだけが目的みたいに書いてありますが、そうではない人にも役立つはずです。

ま、本来はこんな本を読んで難しく考えずとも、とにかくお食事の回数をこなせば良いのです。べつにデートや恋愛と考えずとも、女性とお食事して悪いことなど何もないのですから。